3.ミステリー

2017年10月22日 (日)

AX(アックス)

著  者:伊坂幸太郎
出版社:KADOKAWA
出版日:2017年7月28日 初版発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 うれしいことに今年は伊坂幸太郎さんの新刊が3冊も出た。本書はその1冊目。

 各エピソードの初めに、主人公の名前のハンコのマーク。これで本書が「グラスホッパー」「マリアビートル」に連なる物語だと分かる。そう、殺し屋がたくさん登場する(人がたくさん死ぬ)「殺し屋業界」の物語。帯には「殺し屋シリーズ」と書いてあった。確かに3冊目もあれば「シリーズ」だ。

 主人公の名前は「兜」。もちろん「仕事」をするときの名前で、本名は「三宅」というらしい。家族は妻と高校三年生の息子がいる。殺し屋の物語に、家族とのエピソードがあるのは、ちょっと珍しいと思うが、さらに珍しいのは、「兜」が大変な恐妻家であることだ。(そういえば、必殺仕事人の中村主水も恐妻家だったか。意外とあるのかも、この設定)

 どのくらい恐妻家かと言うと、「仕事」を終えて帰って来て妻が寝ていたら、腹が減っていてもカップラーメンは食えない、ほどだ。ビニールを破る音、フタを開ける音で、妻を起こしてしまったらいけないからだ。もしそうなったら「大変なこと」になるらしい。

 まぁそんな具合で(ちょっと変わった形だけれど)「家族思いの殺し屋」である「兜」は、息子が生まれたころから「仕事を辞めたい」と思っている。簡単に抜けられる業界ではないので「上からの指示」のまま、ズルズル「仕事」を続けている。

 本書はそうして「辞めたい」と思いながら、家族のことを気にしながら、妻にビクビクしなが、それでも標的を確実に仕留める、兜の鮮やかな仕事ぶりを描く5つの物語を収録した連作集。

 やっぱり面白い。「恐妻家の殺し屋」という設定に、少し面食らったけれど、これが物語に何ともいい味を醸し出すのに役立っている。伊坂作品らしく、伏線としても最後に生きて来る。いつも通りの技ありの作品。

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2017年10月14日 (土)

機は熟せり(上)(下)

著  者:ジェフリー・アーチャー 訳:戸田裕之
出版社:新潮社
出版日:2017年1月1日 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「剣より強し」に続く、超長編サーガ「クリフトン年代記」の第6部。

 このシリーズは、主人公のハリー・クリフトンの「クリフトン家」と、その妻であるエマや親友であるジャイルズが属する「バリントン家」の、「クリフトン-バリントン」一族と、それに敵対する人々、という構図を中心に物語が構成される。

 「敵対する人々」の代表格が、ヴァージニアという伯爵令嬢で、ことあるごとにハリーたちを窮地に陥れる。前作の終わりに、ヴァージニアがエマに対して名誉棄損裁判を起こし、エマの圧倒的不利な状況の中で、少しだけ含みを持たせた状態で終わっている。

 そして本書。冒頭、前作の終わりのシーンが3ページ繰り返されて始まる。裁判は、弁護士の機転によって、エマの勝利で終わるが、「クリフトン-バリントン」一族は大きな痛手を被ることになる。

 この後、相変わらず目障りなヴァージニアの言動の他、ジャイルズによる恋人の救出劇や、エマの政界への接近など、ハラハラドキドキのサスペンスが繰り広げられる。そして後半にはハリーにとっての大きな喜びに向けて盛り上がる。ほんとうに飽きない。

 このシリーズは、当初は「全五部」を予定していたものを、途中で「全七部」に構想が拡大された経緯がある。第6部の本書を読んで、さらに拡大されるのではないか?という感想を抱いた。しかし実は、第7部が既に発行されていて、出版社のサイトで「完結」が表明されている。

 あと一つか。感慨深い。

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2017年10月 4日 (水)

木洩れ日に泳ぐ魚

著  者:恩田陸
出版社:文藝春秋
出版日:2010年11月10日 第1刷 2017年10月10日 第9刷 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 著者は「蜜蜂と遠雷」で、2016年下半期の直木賞と2017年の本屋大賞を受賞した。帯に「祝本屋大賞&直木賞W受賞!」の文字が躍る。裏側には「恩田陸ミステリの隠れた傑作です!」と書いてある。2007年の作品。

 主人公はアパートの同じ部屋に暮らす一組の男女。今夜、最後の一晩をこの部屋で過ごし、明日にはめいめい別の場所へ出ていくことになっている。別れの夜というだけでも、晴れやかな雰囲気は期待できない。しかし、この物語を覆う「重苦しさと危うさ」は、もっと深く入り組んだ事情を、二人が抱えているためだ。

 男の方は「彼女があの男を殺した」と思っている。今夜中に彼女はそのことを白状するだろうか?自分はさせることができるだろうか?。女の方も「彼があの男を殺した」と思っている。今夜中に彼は自分を殺すつもりなのではないか?と疑っている。

 こんな感じで、お互いに相手を「殺人者」だと疑いながら、表面的には関係をきれいに解消するカップルを演じる。こんなヒリヒリするような心理戦を、章ごとに一人称を交互に彼と彼女に割り振って、心の中をえぐるように描くことで綴る。読者の特権で、互いの手の内が見える分、よけいにスリリングだ。

 物語で流れる時間はたった一晩で、場所はアパートの一室から出ない。本書は約300ページの長編なのだけれど、時間も場所も制限されたなかで、よくこれだけの起伏のある物語が描けるものだ。しかもちゃんと着地するし。「今さら」だけれど、著者の筆力には驚く。

 上に書いたように「深く入り組んだ事情」があり、それは何度も読者の想定を越え、時に禁忌に触れようとさえする。また「あの男を殺した」のは誰なのか?真実はどこにあるのか?「隠れた傑作」という評は当たっていた。W受賞がなければ、本書を手に取らなかっただろう。W受賞に感謝する。

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2017年8月26日 (土)

玉依姫

著  者:阿部智里
出版社:文藝春秋
出版日:2016年7月20日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

  八咫烏シリーズの第5弾。このシリーズは新しい巻が出るたびに、それまでとは趣向の違う物語になっていて、毎回「そう来たか!」と思ったけれど、今回もそうだった。

 このシリーズの舞台は、八咫烏が、私たちと同じ人間の形になって暮らし、雅やかな感じが平安京を連想させる世界だった。「だった」と過去形なのは、本書は違うからだ。本書の舞台はなんと1995年の日本だ。主人公は東京に住む女子高校生の志帆だ。八咫烏からも平安京からも、ずい分と遠い。

 とは言え、当然ながら、志帆には八咫烏とのつながりがある。志帆の祖母の出身地の山内村には「神様のいる山」がある。その山の神域を挟んで私たちの世界と八咫烏の世界はつながっているらしい。志帆は、その山の神に捧げる「御供」にされてしまったのだ。

 志帆は、いきなり命の危機に瀕するわけだけれど、主人公でもあり、それを切り抜ける。その先に待っていたものは、なんと八咫烏の若宮と大猿、そしてさらに過酷な運命だった。高校生の志帆には過酷すぎるけれど、彼女はその運命に立ち向かう。本人の意思なのか、もっと大きなものの意思が働いたのか、それは分からないけれど。

 もう1回言うけれど、現代の少女の登場に「そう来たか!」という感じ。まぁどこか頭の片隅に予感はあった。もしかしたら、解説かインタビュー記事に書いてあったのかもしれない。そうでなければ「十二国記」からの連想だろう。第3弾の「黄金の烏」のレビュー記事にも書いたけれど、このシリーズには「十二国記」と重なる世界観を感じる。

 「女子高校生」「訳も分からず異世界に連れてこられる」とくれば、十二国記の陽子を思い出す。運命に立ち向かう、というところも同じだ。今後の活躍が期待される。

 念のため。十二国記との類似について書いたけれど、著者のオリジナリティに対して疑問を呈しているのではない。世の中にたくさんの物語があるので、「何かに似ている」ことは、ある意味で不可避なことだ。ただシリーズを通して読むと、著者が描き出そうとしてるものが、オリジナリティの高いものであることを強く予感させる。

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2017年8月10日 (木)

RDG レッドデータガール 世界遺産の少女

著  者:荻原規子
出版社:角川書店
出版日:2011年5月30日 初版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 「レッドデータガール」シリーズの第4巻。今回は、主人公の鈴原泉水子と彼女を守る相楽深行の二人だけに焦点を当てて物語が進む。

 二人が進学した、東京郊外の鳳城学園では、夏休みが明けて学園祭への準備が本格化する。今年のテーマは「戦国学園祭」。学園の近くに秀吉の小田原攻めの前哨戦で激戦があった山城があったらしい。それで勢い「現地調査」にその山城跡に出かけることに..。

 泉水子は、熊野古道に近い山深い神社で育ち、「姫神憑き」という、その身に神が降りる体質。普通の人には見えないものが見えたりもする。そんな泉水子が「激戦のあった山城跡」になんかに出かけて行って、何も起こらないはずがない。400年以上前とはいえ、たくさんの人が死んだ場所なのだから。

 「何も起こらないはずがない」というわけで、何かは起こったけれど、実はそう大きな事件にはならなかった(少なくとも傍目には)。というか、この巻を通して大きな事件は起こらない。ただ、起きそうな予感だけは強く感じる。シリーズ6巻の折り返しを越えて、大きな山場へ向かっての助走、そんな雰囲気が漂う。

 泉水子と深行の関係がどうも甘酸っぱくなってきた。まぁ十代の少女と少年だからね。どうなるのか、こちらも楽しみと言えば楽しみ。

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2017年7月16日 (日)

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード

著  者:小路幸也
出版社:集英社
出版日:2016年4月30日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「東京バンドワゴン」シリーズの第11弾。

 舞台は、東京の下町にある古本屋&カフェの「東京バンドワゴン」。前作の「ヒア・カムズ・ザ・サン」の続き。「東京バンドワゴン」を営む堀田家の1年を描く。

 いつもと同じ、大小のミステリーと人情話が散りばめられている。ミステリーの方は、東京バンドワゴンの蔵に眠る「呪いの目録」を探る男、創業者の堀田達吉と名門女子大の知られざる関係、幼稚園のお友達の家に出る幽霊、等々。

 人情話の方は、お隣の今は更生したかつての不良少年と昔の仲間の話、仕事一筋に生きた翻訳家と娘の関係、還暦を過ぎたロックミュージシャンの決断、亡くなった姉への思慕を抱き続ける青年実業家、等々。

 シリーズの中で時々ある大立ち回りも今回はあった。なんと、英国の秘密情報部が、王室の秘密が書かれた古書を奪還しに、東京バンドワゴンに現れたのだ。それに対して堀田家が打った一手がすごい。当主の勘一が切った啖呵がまたカッコいい。

 前作のレビューで「今回の一番の主役」と言った研人くんは高校生になった。ミュージシャンとしても人間としても男としても、今回も一回りも二回りも成長した。

 単行本の第1刷には、初回限定特典として、語り手のサチさんの初七日を描いたショートストーリー「夢もうつつもひとつ屋根の下」がついている。

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2017年7月12日 (水)

空棺の烏

著  者:阿部智里
出版社:文藝春秋
出版日:2017年6月10日 第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「烏に単は似合わない」「烏は主を選ばない」「黄金の烏」に続く、八咫烏シリーズの第4弾。出版界やファンタジー、ミステリーファンが注目するシリーズとなっている。

 八咫烏が、私たちと同じ人間の形になって暮らしている、という世界。平安京にも似たその宮廷を中心に、貴族政治が行われている。今回は、宗家の近衛隊の武官の養成所である「勁草院」が舞台。主人公は、勁草院に新たに入学してきた若者たち、茂丸、明留、千早、雪哉の4人が、章ごとに交代で務める。

 「勁草院」は男子のみの全寮制。同じ年頃の男子が集団で修行する。座学あり実技あり、貴族の子と平民の子が共に学ぶ。各所の説明で「ホグワーツ魔法魔術学校」に例えられることが多いようだけれど、間違えてはいないけれど、少し違和感もある。こちらは武官専門のエリート養成所だし、女子はいないから、もっと汗臭くてきな臭い。

 趣向としては青春モノ、学園モノ。出自の違いや属するグループの違いから、お互いに反目する場面もある。主人公4人が抱える事情も、ここに来た目的も違う。そうしたものを乗り越えて成長する。私は、こういうのは嫌いじゃない。

 著者を「すごい」と思うのは、本書がそれ自体で面白い上に、この一見して趣向が違う話を(実は、全作がそれぞれ趣向が違うとも言えるけれど)、シリーズの中に取り入れて、しっかりとした位置付けが感じられることだ。前作までで、この世界を危うくする危機が描かれている。本書は、それから切り離されたような学園生活が描かれる。しかし、物語はきちんと本流へと戻っていく。あの4人は、今後、重要な役割を担うに違いない。

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2017年6月28日 (水)

真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥

著  者:大沼紀子
出版社:ポプラ社
出版日:2017年6月15日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「まよパン」シリーズの第6弾。舞台となっているパン屋「ブランジェリークレバヤシ」の営業時間が午前5時で、前作のタイトルが「午前4時の共犯者」だから、今回が最終巻、という予想ができた。その予想通りについに完結。

 これまでを振り返ると、主人公の女子高校生の希実は、「ブランジェリークレバヤシ」の亡くなった奥さんの美和子の腹違いの妹、ということで転がり込んできた。しかしそれはウソで、もっともっと入り組んだ事情があった。そのあたりの事情が、前作であらかたあきらかになった。

 そして、希実と「ブランジェリークレバヤシ」には、希実にまつわる事情を同じぐらい入り組んだヤヤこしい人たちが集っている。夜中に徘徊する小学生、でかいけれど超美人のニューハーフ、のぞき魔の変態、腹話術の人形を抱えた高校生、裏社会で生きてきた飲食店経営者、結婚詐欺師の女と双子の姉妹...。

 読み始めると、「のぞき魔の変態」が主人公になっている??結婚して3歳の子どもがいることになっている???そんな記憶がまったくないのだけれどどういうことかと訝しんでいると、おぼろげに分かってきた。どうやら前作から5年ほど経っているらしい。「ヤヤこしい人たち」も含めて、それぞれが新しい道を歩み出している。

 最終巻はどんな結末になるのか?と期待していた。特に「こんな結末かなぁ?」と予想していたものはないのだけれど、この「5年後」の設定に「こう来たか!」という驚きがあった。それぞれの人に5年の歩みがあって、変わったこと、前進したことがある。しかし修復できなかったこともある。読み終わってみると「この結末しかない」という納得の最終巻だった。

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2017年5月21日 (日)

ヒア・カムズ・ザ・サン

著  者:小路幸也
出版社:集英社
出版日:2014年4月30日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「東京バンドワゴン」シリーズの第10弾。

 舞台は、東京の下町にある古本屋&カフェの「東京バンドワゴン」。前作の「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」の続き。「東京バンドワゴン」を営む堀田家の1年を描く。

 今回も、大小のミステリーと人情話が散りばめられている。ミステリーの方は、白い影が見えるとかすすり泣きが聞こえるとかの幽霊騒ぎ、近くの区立図書館に古書が置かれるという謎の事件、宮内庁からの招かざる客、等々。

 人情話の方は、ご近所の青年の恋愛がらみの騒動や、以前に堀田家に救われたかつての不良少年(今は一児の父)の話、万引き少年の更生の機会、等々。それから、今回は少し悲しい別れもいくつかある。

 前作のレビューで「子どもたちの成長が楽しみになってきた」と書いたけれど、今回はその成長をはっきりと感じることができた。高校2年生の花陽ちゃんの啖呵がよかった。そして、登場回数は多くなくても、今回の一番の主役は、中学3年生の研人くんだ。何とも甘酸っぱいことになった。

 このシリーズのタイトルは、第1作を除いてビートルズの曲名(第3作「スタンド・バイ・ミー」はジョン・レノンによるカバー)。これまではその巻のイメージに「何となく合っている」感じだった。今回は、ストーリーにうまくはまっている。

 Here comes the sun, and I say It's alright. ♪

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2017年4月 6日 (木)

ビブリア古書堂の事件手帖7

著  者:三上延
出版社:アスキー・メディアワークス
出版日:2017年2月25日 初版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 人気ベストセラーシリーズの第7巻。本書の発売に合わせて、実写とアニメの映画化が発表されている。ストーリーもキャストも公開時期さえ未発表で「詳細は後日」という異例の告知だけれど。

 「古書にまつわるミステリー」をテーマにしてきたこのシリーズは、短編ごとに別の古書が登場する短編集の巻と、1冊の本を追いかける長編の巻がある。第7巻の本書は長編の体裁。そして本書でシリーズは完結する。

 完結編の本書で、主人公の大輔と栞子が追う本は、シェイクスピアの作品集。ファースト・フォリオと呼ばれる、17世紀に出版された最初の作品集で、その1冊がサザビーズで約6億円の値が付いた、というシロモノだ。その本は栞子の祖父の因縁の品物で、母の失踪とも関係している。

 前作の第6巻は、栞子を取り巻く新たな謎を加えて、シリーズの構造をドンドン重層的に複雑にした。本書は(完結編ということもあって)、その複雑さを解きほぐす役割を持っている。だから物語が一方向に流れて行く感じなのだけれど、それでも幾つかのヤマがあって、やっぱり最後まで気が抜けなかった。

 これで完結ということで、著者には「ありがとう」と「お疲れさま」と声をかけたい。それまで1年を空けずに巻を重ねて来ていたのに、今回は2年以上も空いての発行だった。「あとがき」によると「今度こそ書けないと思う瞬間が何度もありました」ということだ。

 さらにうれしいことに「番外編やスピオンオフという形で「ビブリア」はまだ続きます」という。いつ公開されるかもわからない映画も気になるけれど、スピンオフ作品が今から楽しみだ。

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