32.東野圭吾

2018年1月14日 (日)

マスカレード・ナイト

著  者:東野圭吾
出版社:集英社
出版日:2017年9月20日 第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「マスカレード・ホテル」の続編、数年後の設定。本書の前に「~ホテル」の前日譚となる「マスカレード・イブ」が刊行されているから、本書でシリーズ3作目。帯によると累計267万部突破、だそうだ。

 舞台はこれまでと同じホテル「コルテシア東京」。主人公も同じで警視庁の刑事である新田浩介と、「コルテシア東京」の山岸尚美。山岸は、前作ではフロントクラークだったが、今回はホテルが新設したコンシェルジュ・デスクに就いている。

 今回はこんな事件。練馬区のマンションで女性の遺体が発見された。死因は心臓麻痺らしい。外傷も苦しんだ形跡もない。一見すると事件性は乏しい。しかし、事件の発端が「匿名通報ダイヤル」の通報だということから、捜査を進めるさなかに「密告状」が届く。そこにはこの事件の犯人が、コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れる、と書いてあった。

 匿名の通報者と密告状の送り主は同一人物なのか?犯人との関係は?そもそも犯人を告発したいのなら、その素性を伝えてくればいいわけで、このような回りくどいことをする目的は何なのか?捜査本部は翻弄される。そんな中で新田はフロントクラークとしてホテルに潜入して捜査を始める。

 超一流ホテルは、様々な素性の人間が利用する。夫婦や家族を装う者も、偽名を使う者も少なくない。いわば素顔を隠して仮面を付けた人間が集まる。そういったことを、このシリーズ全体の共通のタイトルの「マスカレード(仮面舞踏会)」は表している。

 それはこれまでは比喩だったけれど、今回の「カウントダウン・パーティ」は、なんと仮装パーティで、参加者は文字通り仮面を付けている。バットマンやアンパンマンや目玉おやじがウロウロする現場。捜査が面倒なことは言うまでもない。この難しい条件で、事件を(そもそも何が起きるかもわかっていないのだけれど)未然に防ぎ、犯人を追い詰める。それが本書の見どころ。

 見どころはまだある。山岸がコンシュルジュになった。「客室の窓から見える遠くのビルのポスターが気になるから何とかしてくれ」「レストランでプロポーズをするので、彼女に気付かれずに後ろにバラの花道を作ってくれ」こんなムリめな要望に彼女がどう応えるか?これがけっこう読者の関心を引き付ける。

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2017年12月10日 (日)

素敵な日本人

著  者:東野圭吾
出版社:光文社
出版日:2017年4月5日 初版第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 文芸誌の「小説宝石」のミステリー、SFの特別編集号等に掲載された、9編の短編を収録した短編集。著者は重厚な長編ミステリーや軽快なコメディも面白いけれど、小気味いい短編も楽しい。

 収録作品は「正月の決意」「十年目のバレンタインデー」「今夜は一人で雛祭り」「君の瞳に乾杯」「レンタルベビー」「壊れた時計」「サファイヤの奇跡」「クリスマスミステリ」「水晶の数珠」。

 最初の2つだけ紹介。「正月の決意」。正月には書初めをしてお屠蘇をいただく、そういう古風な暮らしぶりの夫婦が、初詣に神社に行くと賽銭箱の前に下着姿の死体が..。警察が来て捜査が始まるけれど、あの人もこの人も何とも無責任で、どうしょうもない感じ。

 「十年目のバレンタインデー」。10年前に突然姿を消したかつての恋人から、食事の誘いを受けたミステリー作家。甘い期待とともに誘いを受け、バレンタインデーのフレンチレストランで再会を果たす。彼女の口からは自身の作品を評価する言葉が..さて彼女の目的は?

 ミステリー作家の作品らしく、謎解きがあるし、何編かには殺人事件も起きる。でも、本書の作品の一番の読みどころはそこではなくて、最後のオチと、その多くが何となく「いい感じ」なことだ。私は、星新一さんのショートショートみたいだな、と思った。

 タイトルの「素敵な日本人」について。登場人物に「素敵」という言葉が素直に当てはまる人は多くないので、多分に皮肉交じりなのだろう。「正月」「バレンタイン」「雛祭り」「クリスマス」という、和洋入り混じった行事を楽しむことを指しているのか、あるいは「正月の決意」の人たちのようなダメダメな人のことも指しているのかも。もちろん全く違うのかも。

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2017年3月29日 (水)

恋のゴンドラ

著  者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版日:2016年11月5日 初版第1刷
評  価:☆☆☆(説明)

 「疾風ロンド」「雪煙チェイス」のスキー場シリーズで舞台となった、「里沢温泉スキー場」で巻き起こるラブコメディ。「ゴンドラ」「リフト」「プロポーズ大作戦」「ゲレコン」「スキー一家」「プロポーズ大作戦 リベンジ」「ゴンドラ リプレイ」の7編からなる連作短編。

 各短編ごとに主人公が変わる。最初の「ゴンドラ」と次の「リフト」で8人の男女が登場する。全員、都内のリフォーム会社やデパートやホテルで働く社会人。この8人の誰かが、その後の短編で入れ替わりで主人公となる。誰々は誰々が好きだとか、くっつけようだとか、浮気したとか許さないとか、ダメだと思ってたけど見直したとか...そういう物語だ。

 最初の「ゴンドラ」だけあらすじを。主人公の広太は33歳。合コンで知り合った桃実とスノーボード旅行に来ていた。彼女との初めての旅行に悦びを噛みしめていた。ところが二人が乗った12人乗りゴンドラに、同棲相手の美雪が乗って来た!あろうことか広太は美雪と結婚の約束までしていた..。

 面白かった。広太の絶体絶命のピンチだけれど、まったく同情の余地がない。どんなヒドイ目に会おうと知ったこっちゃない。そうなると他人の不幸も、傍目から見てこんな楽しい見世物はないってことになる。まぁ、美雪さんはかわいそうだけれど。

 他の作品も、当人たちにはけっこうキツイ出来事かもしれないけれど、傍観者としては面白可笑しいとか、ちょっといい話とかの、エンタテイメントに仕上がっている。だいたい男がダメダメな感じなんだけれど、物語の中でちょっとだけ成長する。...広太を除いては(笑)。

 「疾風ロンド」「雪煙チェイス」の「あの人」もちょっとだけ登場する。

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2017年2月 5日 (日)

雪煙チェイス

著  者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版日:2016年12月5日 初版第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「白銀ジャック」 「疾風ロンド」に続く、スキー場シリーズの3作目。

 主人公は脇坂竜美、大学でアウトドアスポーツのサークルに所属していた4年生。身に覚えのない殺人事件の容疑者として、警察に追われる身になった。竜美自身の不用意な行動が基で、警察の心証はマックロ。

 犯行の時間にはスキー場にいた。そのアリバイを証明してくれるのは、そこで出会ったスノーボーダーの女性だけ。名前も知らないその女性を探しに、僅かな手がかりを辿って里沢温泉スキー場へ、竜美は警察の捜査をかいくぐって向かう。

 物語は、竜美と竜美を追う刑事の2人を中心にして、追いつ追われつの追跡劇を描く。里沢温泉スキー場は、前作「疾風ロンド」の舞台でもあるから、そこで活躍した面々も当然登場する。「白銀ジャック」からの根津昇平と瀬利千晶も。魅かれ合っている2人がどうなるのかもちょっと楽しみ。

 本当に面白かった。3作すべてに共通する「無責任な上司」の無責任ぶりと部下のトホホな感じが、哀しくも面白い。旅館の男前な女将さんが素敵。そして何度も何度も「今度こそ」という期待を裏切るストーリーが楽しい。

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2016年12月28日 (水)

疾風ロンド

著  者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版日:2014年12月25日 初版第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「白銀ジャック」の続編。11月に阿部寛さん主演で公開された同名の映画の原作。

 主人公は栗林和幸。泰鵬大学医科学研究所の研究員。大学院卒業後23年間、この研究所に勤めていると言うから、50歳手前というところか。その研究所から生物兵器並にに毒性の強い「炭疽菌」が持ち出された、というのが物語の発端。

 「炭疽菌」を持ち出した犯人は、研究所の元研究員。炭疽菌をケースに入れて雪の中に埋めた。摂氏10度以上になるとケースが割れて中身が拡散する。要求額は3億円。とここまでが、冒頭で明らかにされる。それともう一つ、犯人は炭疽菌を現場に残したまま、交通事故で死んでしまう。

 そんなわけで栗林は、残されたわずかな手がかりを基に、持ち出された炭疽菌の回収に挑む。上司である研究所長の厳命によって、警察には知らせない、協力者にも真相を明かしてはならない。どうやらスキー場に埋められたらしいが、栗林のスキーの腕前はボーゲンレベル。それも20年以上前。ミッション・インポッシブル。

 そのスキー場に「白銀ジャック」にも登場した、パトロール隊の根津昇平と、スノーボードの選手の瀬利千晶がいた。物語に前作とのつながりは殆どないけれど、彼らの活躍と、同じようにスキー場が舞台になる前作の事件との類似性もあって「続編」という位置づけでいいだろう。

 父子の関係や、淡い恋心や、家族の絆や、スポーツ選手の憂い、などなどを織り込んだ、大立ち回りありの活劇。面白かった。これは映画向きの物語だと思う。きっと映画も面白いだろう。

 映画「疾風ロンド」公式サイト

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2016年12月 4日 (日)

白銀ジャック

著  者:東野圭吾
出版社:実業之日本社
出版日:2011年11月25日 初版第1刷
評  価:☆☆☆(説明)

 「疾風ロンド」という映画が阿部寛さん主演で公開されていて、その原作を読んでみようと思っていた。そうしたら先に本書があり、後に「雪煙チェイス」という本が先日出版されて、3冊で「スキー場シリーズ」になっていることが分かった。まず1作目から読むことにした次第。

 主人公は倉田玲司、年齢は40過ぎ、独身。新月高原スキー場の索道部マネージャー。リフトやゴンドラを安全に運行する責任がある現場のポストで、ゲレンデ全体が安全で快適なものに保たれるよう管理するのも彼の仕事だ。

 スキー人口が減ってスキー場はどこも厳しい状況にある。倉田の上司にあたる経営層は、現場にムリを強いてくる。そんな中で真面目に勤めて来た。索道部の部下やパトロール隊からは信頼されている。ある日、ゲレンデのどこかにまだ雪のない頃に爆発物を仕掛けた、という脅迫状が届く。スキー場全体を人質に取られた(ジャックされた)わけだ。

 ゲレンデの安全に責任がある倉田は、警察に届け客を避難させることを主張した。しかし、それでは今シーズンは棒に振ったも同然だし、その後のイメージダウンも避けられない。結局ズルズルと時が過ぎ...。という物語。

 スキー場には様々な人が絡む。運営会社の社員、お客、地元自治体。犯人になりそうな人物もたくさんいる。本書は「犯人捜し」のミステリーであり、同時に著者の「企業モノ」に見られるような、仕事に打ち込む男たちの物語でもある。著者の作品の特長の「イイトコどり」だ。

 聞けば「疾風ロンド」「雪煙チェイス」でも、本書の登場人物たちが活躍するらしい。そのうち読み進めたいと思っている。

 映画「疾風ロンド」公式サイト

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2015年10月 1日 (木)

天空の蜂

著  者:東野圭吾
出版社:講談社
出版日:1998年11月15日 第1刷 2015年7月21日 第68刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 20年前に刊行された本書を原作とした、同名の映画がロードショー中。9月12日の公開前後にはCMも流れていたのでご覧になった方もいるだろう。

 時代は刊行時と同時代、つまり今から20年前。その日、防衛庁に納められる予定だった、胴体長33.7mという超大型ヘリコプター、通称「ビッグB」が何者かに盗まれる。遠隔操作という前代未聞の方法で。「ビッグB」は、敦賀半島北端にある原子力発電所に飛来し、原子炉の真上で停止する。

 犯人からの要求はシンプルだが、政府に重大な決断を迫るものだった。「稼働中、点検中の原発をすべて使用不能にすること。建設中の原発は、すべて建設を中止すること」。その要求が受け入れられない場合は「ビッグB」を原子炉に墜落させる..。

 本書は文庫本で600ページ超もある長編だけれど、ここまでわずか50ページあまり。このスピード感のまま、「ビッグB」の設計者、原発の関係者、犯人を追う警察官、そして事件の犯人その人など、多くの登場人物のストーリーを並行して描く。息をつく間もない、とはこのことだ。

 本書が投げかけるテーマは重い。福島の原発事故を予見するかのようなストーリーに寒気を覚える。犯人の最後のメッセージは私たちへの警告だ。思えば私たちは何度か警告を受け取っているのに、それを生かせていないのではないか?

 本書を多くの人に読んでもらいたい。映画も観てもらいたい。

 映画「天空の蜂」公式サイト

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2015年6月24日 (水)

禁断の魔術

著  者:東野圭吾
出版社:文藝春秋
出版日:2015年6月10日 第1刷
評  価:☆☆☆(説明)

 本書は「禁断の魔術 ガリレオ8」に収録された「猛射つ(うつ)」という150ページの中編を加筆・改稿した長編。帯には「シリーズ最高のガリレオ」と書かれている。

 今回の事件は、ガリレオこと天才物理学者の湯川の、高校の後輩が絡んでいる。湯川に近い人物が事件に関係している点では、短編集「ガリレオの苦悩」のいくつかの収録作品と共通している。

 その高校の後輩の名は古芝伸吾。物語の冒頭で、湯川が理学部の准教授を務める帝都大学の工学部に合格し、湯川にあいさつに来ている。優秀なのだ。そして未来に希望を持っていた。

 ところが彼は、一か月ちょっとで大学を中退してしまう。それはどうしてなのか?ホテルでの女性の殺人事件、マンションでのフリーライターの殺人事件、屋形船の爆発事件...。伸吾はこれらの事件と関わりがあるのか?

 伸吾が湯川にあいさつに来たのは、以前に湯川にレールガンの製作の指導を受けたことがあるからだ。レールガンは電磁エネルギーで物質を射出する装置。湯川は「実験装置」と呼ぶが、刑事たちは「武器」と呼ぶ。

 伸吾がレールガンを使って何かをしようとしているのは、ほぼ間違いない。殺人に使われれば、科学は「禁断の魔術」になってしまう。そうなれば、指導した湯川にも科学者としての責任がある。

 「ガリレオの苦悩」と共通しているは、湯川に近い人物が事件に関係しているだけでなく、湯川の「苦悩」と「決意」を描いている点。この一点に読み応え有り。

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2014年12月21日 (日)

同級生

著  者:東野圭吾
出版社:講談社
出版日:1996年8月15日 第1刷発行 2010年12月1日 第51刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 1993年というから今からざっと20年も前の作品。手元にある文庫本の帯には「ターニングポイントとなった傑作! この作品で作家・東野圭吾はますます輝きを増した」とある。この惹句に魅かれた。

 主人公は西原荘一。地域随一の名門高校の3年生。野球部の主将。物語の発端は同級生の死。野球部のマネージャーでもあった宮前由希子が交通事故で亡くなる。真相が明らかになるにつれて、この「事故」が、学校全体を揺るがす「事件」に発展していく。

 由希子は身籠っていた。産婦人科病院からの帰りに事故に会ったらしい。事故が様々な憶測を呼び、西原は「事件」の当事者になる。生徒指導の教師も事故に関わりがあることがわかり、西原と学校は鋭く対立し、ついには「殺人事件」が起きる。

 当初は同級生の死を発端とした、学校の中の様々な出来事を描いた「学園モノ」の様相だったけれど、この「殺人事件」後には、犯人捜しを軸にしたミステリーの王道が展開される。

 この学園モノからミステリーへの転換が実に鮮やかで、引き込まれた。さらにそのミステリーの背景には、高校生の友情・恋愛、教師と生徒の対立、学校の体面、それに環境問題など、様々なものが描き込まれている。多少「描き込み過ぎ」な感はあるが、物語を楽しめた。

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2014年9月 7日 (日)

マスカレード・イブ

著  者:東野圭吾
出版社:集英社
出版日:2014年8月25日 第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「マスカレード・ホテル」のシリーズ第2弾にして、前日譚。「マスカレード・ホテル」の主人公である、警視庁の刑事の新田浩介と、ホテル「コルテシア東京」のフロントクラークの山岸尚美が出会う前の物語。

 50~60ページの短編が3本(山岸尚美が主人公のものが2本、新田浩介が主人公のものが1本)と、表題作で150ページほどの中編を1本収録。短編は限られたページ数の中で、謎解きが2回転がる少し手の込んだミステリーになっていて楽しめる。

 表題作には、新田浩介と山岸尚美の両方が登場する。しかし、新田浩介は東京で起きた殺人事件の捜査をしていて、山岸尚美は開業時のサポートに派遣された「コルテシア大阪」に勤務、2人は会わない。ただし、同じ1つの事件を巡って2人は、かなり接近する。シリーズ第2弾の意味はここにある。

 「マスカレード」は「仮面舞踏会」。超一流のホテルに来る客は様々な事情で「仮面」を被っている。多かれ少なかれ日常とは違う自分を演じているだろうし、偽名で他人になりすましている者だっている。

 その「仮面」を、ホテルクラークは「守る」ことが仕事では必要で、刑事は「暴く」ことが事件の解明につながる。その正反対の要素の出いの妙が、「マスカレード」に込められている。このことが、本書では前作より明確になっている。

 ミステリーなのであまりストーリーには触れないけれど、「楽しめた」とだけは言っておく。謎解きとちょっとした人情話。著者の作品の特長がほどよく配合されている。

 最後に。どうやら本書全体が「マスカレード・ホテル」の「伏線」という位置づけになるらしい。もう1回「マスカレード・ホテル」を読んでみる必要がある。

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