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2019年5月 9日 (木)

クレオパトラの夢

著  者:恩田陸
出版社:双葉社
出版日:2015年4月19日 第1刷 2018年6月11日 第3刷 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 「MAZE(メイズ)」に続く「神原恵弥シリーズ」の第2弾。ちなみに第3弾の「ブラック・ベルベット」は既読。実は、最初に第3弾を読んでしまう、という失敗をやらかしていて、本書で3部作を完読。

 主人公は神原恵弥。端正な顔立ちの男性。留守がちだった父親を除いて、祖母、母、姉3人、妹、という女性ばかりの家庭で育ったことで、「女言葉」を使う。女性の言葉使いをする有能で容姿の優れた男。妖しくも濃いキャラクターが、このシリーズの魅力の一つになっている。

 舞台は北国のH市(たぶん函館)。恵弥は、双子の妹の和見を訪ねてH市に来た。東京の大手法律事務所を辞め、不倫相手を追ってH市に来ていた和見を、家族会議の命を受けて連れ戻しに来たのだ..表向きは。恵弥には別の目的もあるらしい。和見にも「あんた、本当は何しに来たの?」と聞かれた。

 恵弥の仕事は、外資系製薬会社のウィルスハンター。新種のウィルスを発見・採取するために、世界中を駆け巡っている。今回も仕事がらみらしい。(まぁ小説だから...)

 実によく練られた物語だった。さまざまな事がつながりあって、網の目のように物語を覆っている。例えば、恵弥の仕事と和見のことは、恵弥自身が「全然関係ない」と思っていたはすなのだけれど、和見の不倫相手の死の真相を探るうちに..という具合。恵弥が追う「クレオパトラ」の正体も徐々に明らかになる。

 前作の「MAZE」も、この後の「ブラック・ベルベット」も、中東が舞台なのだけれど、本書は国内が舞台。馴染みがあるからか、物語の情景がスッと頭に入って来て、3部作の中では私は本書が一番よかった。恵弥は素敵なキャラクターなので、シリーズをさらに増やしていってほしい。

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