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2019年4月 7日 (日)

メモの魔力

著  者:前田裕二
出版社:幻冬舎
出版日:2018年12月25日 第1刷 2019年1月15日 第4刷 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 本書は、昨年末の発売直後(実は、発売前から)に、Amazonの「ビジネス・経済書」ランキングの1位になり、現在まで上位ランクをキープし続けている。部数で言えば発売3ヵ月で30万部突破。

 著者は「SHOWROOM」という「仮想ライブ配信サービス」を立ち上げ、現在は運営会社の社長を務めている。まぁ本書の内容はこの事業とは直接の関係はない。著者が小学生のころから習慣になっているという「メモを書く」ということの効用とその方法について熱く語っている。

 効用として、次の5つのスキルが鍛えられる。「アイデアを生み出せるようになる(知的生産性)」「情報を素通りしなくなる(情報獲得の伝導率)」「相手のより深い話を聞き出せる(傾聴能力)」「話の骨組みがわかるようになる(構造化能力)」「曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力)」

 これらのスキルのカギとなるのが「抽象化」という作業。ある「事実」に対して、「つまり何なのか(What)」「どういうことなのか(How)」「どうしてなのか(Why)」という問いを発することで、他の物事への「転用」を可能にする。著者はその方法を丁寧に説明してくれている。

 オリジナリティを感じる本だと思う。それが「売れる」理由の一つなのだろう。

 メモをアイデアを生み出すツールとして捉えることは、まぁ「普通」と言える。しかし、傾聴能力や構造化能力、言語化能力の向上という効用は、視点が斬新だと思う。「いやいや、私も前からなんとなくそう思ってた」という人はいるだろうけれど、それこそ「曖昧な感覚や概念を言葉に」という「言語化」ができているかどうかで、大きな違いがある。

 「売れる」理由も分かるし、とても良い本なのだけれど、違和感も感じた。それは本書全体に感じる「何一つ見逃さない」という緊張感のこと。「同僚の何気ない一言に重要な情報が眠っていたと、1年後にわかるかもしれない」という理由で、聞いたことを全部メモする。映画や演劇を見れば、気づいたことを多い時には一つの作品で100個以上メモするという。もちろん著者はそれを強いているわけではないので、読者は自分なりに受け取って取り入れればいい。それは分かっているのだけれど、ちょっと「やり過ぎ」に思った。

 最後に。ちょっと気持ちが明るくなったこと。(「この映画、面白いな」で終わらせずに)「なぜ面白いのか」を言葉にして(メモでなくてもSNSででも)伝えれば、抽象化能力、言語化能力が身につく、と書いてあった。このブログで16年あまりも本の感想を書き続けている私は、さぞかし能力アップしていることだろう。

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