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2019年2月24日 (日)

ひとつむぎの手

著  者:知念実希人
出版社:新潮社
出版日:2018年9月20日 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 本屋大賞ノミネート作品。昨年は「崩れる脳を抱きしめて」でノミネートされ第8位だった。

 「崩れる脳~」と同じく、医療の現場が舞台のミステリー。ミステリー要素以外にも、ちょっと泣かせる部分もある。

 主人公は平良祐介。大学付属病院の心臓外科の医師。研修期から数えると医師になって8年。「中堅」になりつつある。心臓外科医として一流になれるかどうかの岐路に差し掛かっている、ということでもある。

 ある日、心臓外科の教授に呼び出され、研修医3人の指導をするように言い渡される。その3人のうち2人が心臓外科の医局に入れば、心臓外科の実績が豊富な関連病院への出向を考慮してやる、という条件付き。それは一流の心臓外科医への道が開けることでもある。

 物語はこの後、まずは祐介と3人の研修医との関係を描く。研修医たちは高い志もあるけれど、未熟なところや心の弱みなどを三人三様に持っている。祐介はスター性があるわけではないので、最初は苦労するが、徐々に研修医たちの信頼を得ていく。ここが泣かせる部分。

 祐介と研修医たちのエピソードを積み重ねる中で、心臓外科だけでなく病院全体を揺るがす事件が起きる。祐介には教授からその調査の指示まで..関連病院への出向をエサに。ここがミステリー要素。

 面白かった。心臓外科の過酷な職場と、そこに敢えて飛び込んだ祐介と、飛び込もうとしている研修医たちが、頼もしく感じた。なんだかんだ言って、祐介は、新人の指導者に向いている。ミステリー要素もしっかりしている。

 泣かせる部分はちゃんと涙が出た。ただ帯に「ラスト30頁 あなたはきっと涙する」なんて、でかい字で書かない方がいいと思う。こういうのはちょっと興ざめだった。

 最後に。祐介の奥さんがサイコーだった。ここでもちょっと泣いてしまった。

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