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2018年12月19日 (水)

ラブ・ミー・テンダー

著  者:小路幸也
出版社:集英社
出版日:2017年4月30日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「東京バンドワゴン」シリーズの第12弾。

 今回は、本編からずっと時代を遡って昭和40年代。舞台の古本屋「東京バンドワゴン」の当主で、本編では80代の堀田勘一が40代、その息子でロックスターの我南人はまだ20代だけれど、バンドデビューして少し経っていて、すでに若者に人気のバンドになっている。

 本書では、我南人と後に妻となる秋実の出会いを描く。本当に最初の出会いの場面は「フロム・ミー・トゥ・ユー」で、秋実さんの語り口で描かれている。今回はまさにその場面から始まって、その後の物語を描く。いつものように堀田家には事件が持ち込まれる。そしていつものように鮮やかに(多少強引に)事件を解決する。

 昭和40年代のテレビというと、アイドル歌手が人気になりだしたころで、本書の事件も、アイドルと芸能界やテレビ業界が絡んだものだ。あの頃のアイドルは、一般の人々からすると今よりももっと遠い存在だった。でも、誰かの友達だし、一人の若者として恋もすれば悩みもする。そういう話。

 「シリーズ読者待望」の秋実さんの物語、しかも長編。本編では、秋実さんは、シリーズが始まる数年前に亡くなったことになっていて、誰かの思い出としてしか語られない。その思い出の中で「堀田家の太陽」とまで言われているのに、エピソードはもちろん、どういう人だったのかも分からない。

 それが今回、長編でたっぷりと紹介された。まだ高校生なのだけれど、こんな芯の通った魅力的な人だったとは。登場のシーンからすでに惹きつけられる。その時の我南人もカッコいいし、そこに気が付く秋実もカッコいい。(すみません。ちょっと気持ちが高ぶってしまいました)

 私は「フロム・ミー・トゥ・ユー」のレビュー記事で、「秋実さんの物語が読めて、私は大満足だ」と書いた後で、「更なる欲が出て来た」と続けて、「長編にならないかなぁ」と書いている。その希望が叶った形で、また「大満足」だ。「更なる欲」も、また出てきてしまったけれど...。

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