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2018年12月13日 (木)

スタープレイヤー

著  者:恒川光太郎
出版社:KADOKAWA
出版日:2014年8月31日 初版 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 これまでに読んだことのない作家さんの作品を読もうと思って、図書館の書棚を巡っていて見つけた本。著者が、日本ホラー小説大賞を受賞してデビューされた「ホラー作家」だと知ったのは後からで、本書は「異世界ファンタジー」。

 主人公は斉藤夕月、女、34歳、無職。買い物の帰りに「運命のくじ引き」を引いた。三等・一億円、二等・五億円、一等・???。明らかに胡散臭いけれど。そうしたら一等が当たった。一等は「スタープレイヤー」。スタープレイヤーになると、地球とは別の惑星に行って、十個の願いを叶えることができる、という。

 信じられない話だけれど、それは本当だった。夕月は、実家を豪華にした家を建てて住む場所を確保し、若返りと美容整形をして絶世の美女になり、壁で囲まれた広大な庭園を造って宝石をバラまいた。我ながら「下品だ」と思いながら。これで使った願いは3つ。まだ7つある。

 この後、他のスタープレイヤーが訪ねて来たり、そのスタープレイヤーが作った「村」を訪問したり、そこから現地民の村を訪ねていったりする。自分の家の周囲しか描かれていなかった地図が、徐々に範囲を広げていくように、夕月の世界も、そして読者の世界が広がっていく。

 世界が広がるのは良いことばかりでなく、衝突も起きるようになる。この世界ではスタープレイヤーは、死者さえ生き返らせる「全能の神」のような存在。しかし、使える回数に限りがあるその力を「何に使うか?」は、とても悩ましい問題だ。本書の主題はたぶんそういうこと。何人ものスタープレイヤーが登場するが、幸せに暮らしている人ばかりではない。

 面白かった。夕月の願いの使い方は、最初は「下品」かもしれないけれど、分かる。途中、ちょっと危なっかしいこともあったけれど、概ね「良い使い方」を心得るようになった。帯に「新シリーズ、堂々開幕」とあるので、この後も続くのだろう(続編「ヘブンメイカー」が既に出ている)。楽しみだ。

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