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2018年10月14日 (日)

後宮の烏

著  者:白川紺子
出版社:集英社
出版日:2018年4月25日 第1刷 9月12日 第7刷 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 書店で多面陳列で、ずいぶんと推しているので買って読んだ。「中華風ファンタジー」なるジャンル(こういう言い方があるとは知らなかったけど、POPに書いてあった)は好きなので。「十二国記」とか「八咫烏シリーズ」とか「僕僕先生」とか、古典を元にした「封神演義」なんかもそれに当たるか。

 舞台は宮廷。後宮の奥深くにある館に住む「烏妃」と呼ばれる妃が主人公。烏妃は妃でありながら夜伽をすることがない。冒頭の帝の訪いのシーンから察するに、夜伽どころか訪問することさえこれまでなかったらしい。烏妃は、呪殺や招魂などの不思議な術を使う女仙か幽鬼で、「会えば災厄がある」とも言われているからだ。

 まぁこんな感じで神秘性を塗り重ねた存在の烏妃だけれど、実にあっさりと正体が明かされる。物語が始まって5ページで、15、6歳の少女だと判明。名前は「寿雪」という。帝に対して「おぬしの頼みは聞かぬ、さっさと去ね」と言い放つ気性と、帝を扉の外に放り出す不思議な術が使えることも分かる。

 この後「そんな理由か」という経緯を踏んで、帝の頼みごとに協力。神秘的な存在のはずが、自分の足で後宮内を動き回って情報収集、というフットワークの軽さを見せる。こういうのをライトノベル風と言うのだろうか?

 「底の浅そうな話だな」と、ここまでの紹介では感じると思う。実際に読んでもそう感じるだろうし、興味をなくして読み進めるのをやめてしまうかもしれない。だから言っておくと、浅そうに見えて深いものが仕込まれている。

 帝の頼み事は、その一族の血塗られた過去や、その陰にあったいくつかの悲恋につながっている。実にあっさりと判明した烏妃の正体も、実はそれは表層で2枚目3枚目の正体が、後に明らかになる。次回があるのかどうか分からないけれど、出ればたぶん読むと思う。

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