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2018年7月29日 (日)

また、同じ夢を見ていた

著  者:住野よる
出版社:双葉社
出版日:2018年7月15日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 累計260万部突破のベストセラー「君の膵臓をたべたい」の著者の次作。2年前に単行本として発行されたもので、文庫本の帯に「早くも累計80万部突破!!」とある。

 主人公は小学生の少女、小柳奈ノ花。本を読むのが好きでとても賢い。クラスの騒々しい男子たちのことは、知性のかけらもない馬鹿だと思っている。そんな奴らを初めとして、他人にどう思われようが、自分が正しいと思ったことをするし言う。クラスに友だちはいない。

 クラスに友だちはいないけれど、学校の外にはいる。川の堤防の近くのアパートに住むアバズレさん、丘の上の大きな家に住むおばあちゃん、一緒に散歩をする尻尾のちぎれた猫。廃墟の屋上で高校生の南さんにも出会った。周囲を見下している感のある奈ノ花だけれど、尊敬できる人には心を開いて、その人の話をしっかり受け止める。

 物語は、「幸せとは何か?」を何回かに分けて考えていく国語の授業を、緩やかな軸として、その間に起きる出来事をエピソードとして積み重ねていく。「幸せとは何か?」は、この物語自体のテーマにもなっていて、様々な人が自分にとっての「幸せ」を考えて、それを披露する。「自分にとっての「幸せ」とは?」を、私も考えることになった。

 エピソードの中には、奈ノ花が、ある同級生のためにと思ってしたことが、その子を傷つけてしまう、といったこともある。奈ノ花らしい方法でその子との関係の修復も試みる。こうした心に沁みる話がいくつかあって、奈ノ花の成長も描かれていて、上質な物語として仕上がっている。

 しかし、この物語はそれだけでなく、けっこうな大仕掛けがある。それは読んでのお楽しみ。

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