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2017年12月31日 (日)

2017年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 恒例となった「今年読んだ本のランキング」を作りました。小説部門、ビジネス・ノンフィクション部門ともに10位まで紹介します。
  (参考:過去のランキング 2016年2015年2014年2013年2012年2011年2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は102作品でした。☆の数は、「☆5つ」が4個、「☆4つ」が50個、「☆3つ」は44個、「☆2つ」が5個、です。
 「☆5つ」の4個のうち小説は1個だけで、少し評価が辛かったかな?と思いました。「☆4つ」(楽しめた(役に立った)。おススメ)が、半分の50個もありますから、今年も読書を楽しんだなぁと改めて実感しました。

■小説部門■

                       
順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
かがみの孤城 / 辻村深月 Amazon
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少年少女が鏡を通り抜けてお城に集い、秘密の部屋の鍵を探す、というファンタジックな設定。それぞれに抱えているものがあり、それを丁寧に描くことで、本当に奥深い物語になっている。
蜜蜂と遠雷 / 恩田陸 Amazon
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直木賞と本屋大賞のダブル受賞作品。国際的なピアノコンクールを舞台とした出場者たちの群像劇。文章が、音楽と映像の両方の感覚を呼び覚ます。物語の力を示した著者渾身の作品。
君たちはどう生きるか / 吉野源三郎 Amazon
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80年前の1937年、日本が戦争を始めたころに出版された作品。倫理や哲学的なテーマを、少年と叔父の対話として身近な問題に引き付けて綴る。今なお大事なことが書いてある。
真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥 / 大沼紀子 Amazon
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「まよパン」シリーズの最終巻。真夜中に営業するパン屋と、そこにやってくる入り組んだ事情を持ったヤヤこしい人々が紡ぐ物語。ちょっと欠けた部分のある人間たちの優しさが素敵に感じる。
暗幕のゲルニカ / 原田マハ Amazon
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ピカソの「ゲルニカ」を巡るミステリー。MoMAのキュレーターが主人公の「現代」と、ピカソの愛人が生きる「過去」の、2つの物語が響き合う。キュレーターでもある著者にしか書けない物語。
ホワイトラビット / 伊坂幸太郎 Amazon
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誘拐をビジネスにしているグループで働いている男が引き起こした人質立てこもり事件。登場するのがクセのある人物ばかりで誰も信用できない。著者お得意のトリックが仕込まれた物語。
アキハバラ@DEEP / 石田衣良 Amazon
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アキハバラのオタクたちが作った会社と、そこで開発した画期的な検索エンジンを巡る、大企業との攻防。「不適応者の群れが、新しい時代のチャンピオンになる」痛快なストーリー。
玉依姫 / 阿部智里 Amazon
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ファンタジー、ミステリーファン注目の八咫烏するシリーズの第5弾。「山内」という異界を舞台としてきたシリーズで、突然現代の日本を舞台に。著者は新人ながら物語巧者であることを証明。
不時着する流星たち / 小川洋子 Amazon
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実在する人物や出来事からの連想によって、著者が紡ぎ出した10編の物語たち。何か少しだけ、でも決定的におかしい。例えると「リアルな夢」。そんな物語をたっぷりと楽しめる。
10 罪の声 / 塩田武士 Amazon
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山田風太郎賞受賞。1980年代の「グリコ・森永事件」を題材にした作品。犯人の家族を描くことで、未解決事件のありゆる「真相」を提示。「事件の後」を丁寧に描いたことも秀逸。

 今年の第1位「かがみの孤城」は、昨年の「東京會舘とわたし」に続いて2年連続の辻村深月さんの作品になりました。さらに一昨年は「ハケンアニメ」が第2位。辻村深月さんの作品が好きだとは感じていましたが、ランキングを付けることで「こんなに好きだったのか!」と、自分でも驚いています。

 4位「真夜中のパン屋さん 午前5時の朝告鳥」、8位「玉依姫」は、シリーズの中の1冊で、その本自体に加えてシリーズとしての評価も加味しました。もし読んでみようと思われたなら、ぜひシリーズの1冊目から順に。そして1冊目がそれほどでもなくても、2冊目3冊目ぐらいまでは読んでいただきたいです。

 選外の作品について言うと、 岡田淳さんの「こそあどの森の物語 はじまりの樹の神話」、西加奈子さんの「i(アイ)」 が、心に残りました。その他、小路幸也さんの「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、ジェフリー・アーチャーさんの「機は熟せり」は、長く続くシリーズの1冊で、こちらはシリーズ全体としておススメ。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

                     
順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
みみずくは黄昏に飛びたつ / 村上春樹 川上未映子 Amazon
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川上未映子さんが村上春樹さんに聞いたインタビュー。文字数にして25万字。同業者のインタビューだからか、機微に触れる話も。ファンではなくても、春樹さんに興味があれば楽しめる。
スノーデン 日本への警告 / エドワード・スノーデン Amazon
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エドワード・スノーデン氏が、滞在先のロシアから参加したシンポジウムを書籍化したもの。「言論の自由やプライバシーの権利は社会全体に利益をもたらす」という指摘を重く受け止めたい。
福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」 / NHK取材班 Amazon
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福島第一原発の事故について、6年間にわたる取材によって明らかになったことまとめたもの。「なぜそれが起きたか」「どうすれば防げたか」を調べて考えることが未来のために必要。
ライフ・シフト / リンダ・グラットン アンドリュー・スコット Amazon
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2007年生まれの人が半分に減る年齢は104歳。平均寿命が80歳台なので、人生80年と思っていたら100年だった。それに合わせた人生をしなければならないことに気付かせてくれる本。
歴史の愉しみ方 / 磯田道史 Amazon
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歴史学者の著者のエッセイが52編。「忍者の子孫を訪ね歩き、根こそぎ古文書を見ていく」という、フィールドワーク主体の歴史学者のスタイルを知った。歴史学の存在価値にも触れる本。
言葉にできるは武器になる / 梅田悟司 Amazon
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電通の現役のコピーライターによる「言葉」の指南書。特筆すべきは、言葉を「伝える道具」としてだけでなく「考える道具」としたこと。よりよくより深く考えるためにも言葉を磨かなくてはいけない。
日本会議の研究 / 菅野完 Amazon
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安倍内閣の閣僚の大半が関わりを持つ「日本会議」という民間団体を、ルーツから掘り起こしたレポート。今の世の中の動きと照らし合わせると、本書の内容が説得力を持って迫ってくる。
キャスターという仕事 / 国谷裕子 Amazon
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「クローズアップ現代」を降板した著者が、鋭い問題意識を通して番組について綴る。「映像」が最大の情報であるテレビの世界で、複雑な問題や思想を伝えるための「言葉」の力と怖さを指摘。
新聞記者 / 望月衣塑子 Amazon
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著者は、官房長官会見で有名になった東京新聞の記者。子どものころから書き起こして、駆け出し記者時代を経て現在に至るまでを綴る。著者の新聞記者としてのあり方の理由が分かる。
10 一汁一菜でよいという提案 / 土井善晴 Amazon
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著者料理は研究家。夕食は「ご飯と具だくさんのみそ汁」だけでOK。「きちんとした食事はおかずが何品以上」という固定観念へのアンチテーゼ。毎日の料理をする人は、これで気が楽に。

 下位とは言っても、菅野完、国谷裕子、望月衣塑子と並んでいて、上位の方には原発問題もリストアップされているので、一定の傾向が出ていることは否めません。現在の政治・社会のあり方に対する強い危機感が私にはあって、特に新書を手に取る時にその思いが強く影響しています。

 そんな中で、1位の「みみずくは黄昏に飛びたつ」は、政治・社会をテーマにしたものではありません。学生時代から30年以上も読み続けている、村上春樹さんのことをさらに知ることができました。聞き手の川上未映子さんに感謝です。

 こうして並べてみて気が付いたことがあります。本の間に一見では分からない関連性があることです。例えば、3位の「福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」」と、5位の「歴史の愉しみ方」。「歴史の~」で著者の磯田さんは、原発事故を経験して、歴史学の社会への生かし方について考え行動をとられています。

 また、6位の「言葉にできるは武器になる」と、8位の「キャスターという仕事」は、ともに「言葉の力」について書いています。9位の「新聞記者」にも通じます。そして、2位の「スノーデン 日本への警告」とも「報道の自由」というテーマが共通します。ちょっと面白かったです。

 
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