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2017年9月 7日 (木)

パーマネント神喜劇

著  者:万城目学
出版社:新潮社
出版日:2017年6月20日 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 著者の最新刊。2010年から17年まで、断続的に文芸誌に掲載したものを単行本化した作品。

 表紙に描かれているふくよかなおっさんが主人公。この人は、なんと神様なのだ。神様として最初の配属先が今いる神社で、ざっと千年ぐらいここでお勤めしている。専門は「縁結び」。「リアルなお勤めを紹介した本」を作るために、ライターさんの取材を受けているところから、この物語は始まる。

 彼の「縁結び」のやり方はこんな感じ。時間を止めて、縁を結びたいカップルの片方に話しかける。そのカップルがうまく行くのに必要な事柄を、言霊にしてそいつに打ち込む。話しかけられた人間は、このことは覚えていない。神様が作ったものだから、言霊に込められたことは、その通りになる。こんな感じで千年もやってきた。

 神様なんだから、人の心ぐらいチョイといじれそうだし、そうすれば縁結びが簡単にできそうなものだけれど、そういうことはしないらしい。あくまでも、恋愛成就を妨げているものを、間接的に取り除くようなやり方。まどろっこしいけれど、面白くもある。

 そんな感じで本書は、この神様が言霊を打ち込む場面や、それを受けた人がどんな具合に変わっていって、どう恋愛を成就するかを、コミカルに描く。最初に書いたけれど、神様にも配属があるように、会社のような組織になっている。昇進やらお偉方との確執やらと、妙に俗っぽい神様の暮らしぶりが描かれる。最後の方は、ちょっとホロッと。

 万城目学さんらしい、肩の力の抜けた物語だ。もっとも本人にお会いしたことはないので、「らしい」のかどうか分からないけれど、エッセイやインタビューを拝読する限りは、何事も深刻にならずにゆるゆるとしていることを好まれる方だと感じる。これまでの作品にも、そういう感じはにじみ出ていたkれど、今回はそれが前面に現れたように思う。

 そうそう、「バベル九朔」とか「かの子ちゃん」とか、著者のファンなら「おっ」と思うモノや人も登場する。その登場に「おっ」と思う以上の意味があるのかないのか分からないけれど、私はこういうのはけっこう好きだ。

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