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2017年2月12日 (日)

大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

著  者:井堀利宏
出版社:KADOKAWA
出版日:2015年4月10日 第1刷 2016年12月20日 第21刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 書店でちょっと目を引いたので読んでみた。帯には「ついに25万部突破!」「東大生が1番読んでいる本!」という惹句。どうやら売れているらしい。
 本書は東京大学の名誉教授である著者が、東大の経済学部と大学院で教えてきた講義の内容を「初めて経済学を学ぶ」人向けに解説したもの。「ミクロ経済学」「マクロ経済学」の「必ず知っておいてほしい」と思う項目が20。1項目30分として全部で10時間、ということだ。

 例として項目の1つ「ミクロ経済学の基本」では、「価格と需要と供給の関係」「需要曲線」「供給曲線」「需要・供給の弾力性」の4つの小項目が解説されている。「マクロ経済学の基本」では、「マクロ経済活動のとらえ方」「GDPとは何か」「GDPに含まれないものは?」「三面等価の原則」「物価指数」の5つの小項目。

 「タイトル通りではない」本だった。つまり「10時間では学べない」ということ。実は、私は大学の経済学部を卒業している。決して真面目でも優秀でもなかったけれど、それでも経済学を学んだことには違いない。

 上に例として挙げたのは「~の基本」という項目で、これはすんなり頭に入った。でも、ほかの項目はそうはいかなかった。時間をかけてかみ砕いてようやく飲み込めるものばかりで、中にはどんなにかんでも飲み込めないものもあった。

 小項目ごとに「30秒でわかる!ポイント」としてグラフや図があるのだけれど、30秒でわかるのは既に知っている人だけだと思う。 まぁ東大の名誉教授にしてみれば「こんなのはキホンのキ」ということで、「読んでも分からない」ということが分からないのかもしれないけれど。

 ただ「タイトル通りではない」ことが、必ずしも悪いことではない。これは経済学のコンパクトな参考書になる。帯を見て、「東大生は(恐らく経済学部の学生が多いだろうから)こんなの読んでちゃダメでしょ」と思ったが、見方が変わった。ある程度本気で経済学を学びたい人にはいいと思う。

 1個だけどうにも不思議な一文がある。「社会全体のために個人が損をする=パレート最適」と書いてあるのだけれど、「パレート最適」の説明としてこれでいいのかな?

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