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2016年11月20日 (日)

コンビニ人間

著  者:村田沙耶香
出版社:文藝春秋
出版日:2016年7月30日 第1刷 8月15日 第4刷 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 2016年上半期の(つまり直近の)芥川賞受賞作。私は直木賞の方が相性がいいらしくて、芥川賞の受賞作品はそんなに好んで読んでないのだけれど、本書はちょっと面白そうだったので読んでみた。

 主人公は古倉恵子、36歳。コンビニでバイトをしている。コンビニのバイトは大学1年生の時からずっとしている。だから今年で18年目になる。ついでに言うと、今のお店「スマイルマート日色駅前店」がオープンした時から、ずぅ~っとここでバイトとして働いている。

 古倉さんは幼い頃、少し奇妙がられる子供だった。公園で死んでいた小鳥を、「これ、食べよう」と言ってお母さんを慌てさせた。焼き鳥や唐揚げはいいのに、小鳥は「食べよう」なんて言っちゃ変に思われる、ということが、幼い古倉さんには分からなかった。今は分かっている、でもたぶんその理由は今も分かっていない。

 古倉さんは「自然と身につける」ことができないらしい。でも、教えられるとそれがすぐに身につく。コンビニは、何をどうすればいいか細々とマニュアルに定められている。だから古倉さんは、コンビニ店員でいる限りは、変に思われないで済むのだ。

 読んでいて少し居心地が悪い。少~しだけ気持ち悪い。その理由の1つは、私たちの「普通」が古倉さんにはないから。「普通」を共有できないと「異物」と感じてしまう。さらにはその「普通」の根拠が思ったより曖昧なことに気が付いて、さらに居心地の悪さを感じる。

 言葉で表すのが難しい、手が届きそうで届かない、私たちの「普通」に潜む何か、を示しかけている。そんな物語だった。

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