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2016年9月 4日 (日)

黄金の烏

著  者:阿部智里
出版社:文藝春秋
出版日:2015年6月10日 第1刷 2016年7月5日 第3刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「烏に単は似合わない」「烏は主を選ばない」に続く、八咫烏シリーズの第3弾。本書で物語が大きく動き出した感じだ。これまでの2巻は、それはそれで面白かったが、シリーズが描く物語としては序章、まだ何も始まってなかったことが分かる。

 八咫烏が、私たちと同じ人間の形になって暮らしている、という世界。平安京にも似たその宮廷が舞台。本書の主人公は前作「烏は主を選ばない」と同じで、地方貴族の言えの少年の雪哉。前作での皇太子である若宮の側仕えを終えて帰郷していた。

 事の発端は、雪哉の故郷で起きた事件。人間でいうと「クスリでもやった」ように正気を失った八咫烏が、雪哉の目の前で女性と子どもを襲った。さらにこの事件の調査の途中で「大猿が村人たちを喰らい尽くして、集落をひとつ全滅させる」という凄惨な出来事が起きる。

 物語はこの後、舞台を中央の宮廷に移して、この2つの事件を追う。そこで展開される出来事は、この八咫烏が支配する世界の存在そのものを揺るがす深刻な問題へと行き着く。

 読んでいて「あぁこう来るのか!」と思った。著者がどのように考えておられるかはわからないけれど、小野不由美さんの「十二国記」と重なる世界観を感じる。この世界は、まだまだ広がりがある、まだまだ物語は発展する、そんな予感が充満している。

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» 八咫烏シリーズ『黄金の烏』 阿部 智里 [日々の書付]
八咫烏シリーズ『黄金の烏』読了。面白くて一気読み。相変わらず阿部智里さんの書く世界観は独特で面白いのです。 『黄金の烏』あらすじ 人の姿をとれる八咫烏の住まう世界「山内」、その世界を統べる特別な烏を「金烏」という。 金烏は、あらゆる烏の父であり、母でもある。山内が危機に瀕したときに生まれ出るとされ、現在では、若君の奈月彦が金烏であると言われている。 地方豪族の次男坊・雪哉は以前、日嗣の皇子である若君に仕えていたが、現在は故郷の垂氷にもどっていた。ある日、「仙人蓋」と言われる危険な... [続きを読む]

受信: 2016年9月 7日 (水) 23時05分

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