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2016年4月17日 (日)

戦場のコックたち

著  者:深緑野分
出版社:東京創元社
出版日:2015年8月28日 初版
評  価:☆☆☆☆(説明)

 今年の本屋大賞の第7位の作品。直木賞、大藪春彦賞にもノミネートされていて、「このミステリーがすごい!」「このミステリーが読みたい!」ではともに第2位。1位にはならなかったとしても、なかなかの話題作だ。

 主人公は、ティム・コール。年齢は20歳前後。合衆国陸軍の兵士。時代は、第二次世界大戦のころ。舞台はフランス、ベルギー、ドイツのヨーロッパ戦線の前線。

 ティムは、パラシュートで降下して、戦いの最前線に送り込まれる兵士。そして、彼には戦う以外の任務もある。他の兵士たちの食事を調理する「コック兵」でもあるのだ。タイトルの「戦場のコックたち」とは、ティムとその同僚の「コック兵」のことを指している。

 話題作になるのが頷ける。今までになかった物語だと思うからだ。戦場を舞台とした作品は数多くても「コック兵」を主人公とした作品は少ないだろう。そして忘れてはならないのは、本書が「ミステリー」だということ。事件が起き、謎解きがある。

 その事件というのが、殺人事件のような大事件ではなく、ちょっとした不思議な出来事だ。ジャンルで言えば「日常の謎」。戦場という極め付けの「非日常」の中で起きる「日常の謎」。こんなことを思いついた著者の発想力がスゴイ。

 戦場の最前線が舞台なので、殺伐としたシーンも多い。死体が山積み、なんてことが珍しくない。ハッピーエンドなのかどうかも分からない。そういうネガティブな素材を、謎解きとユーモアと人情と友情という各種スパイスで味付けして、食べやすい料理に仕上げた。そんな作品だ。

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