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2016年3月 9日 (水)

ジェネラル・ルージュの凱旋

著  者:海堂尊
出版社:宝島社
出版日:2007年4月22日 第1刷 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 ヒット作「チーム・バチスタの栄光」から始まる「田口・白鳥シリーズ(著者は「東城大学シリーズ」としているそうだ)」の第3作。大学病院で起きた収賄疑惑事件を追う。

 読み始めてすぐに、強烈な既視感。「これ前に読んだことある?」と疑問が湧いた。実は、本書が描くのは、前作「ナイチンゲールの沈黙」と、同じ舞台で同時並行的に起きたもう一つの事件。だから当然、前作と同じ出来事が本書でも起きる。私の既視感の原因はそういうこと。

 主人公は田口公平。東城大学医学部付属病院で「不定愁訴外来(通称愚痴外来)」の責任者。ある日、田口が委員長を務める「リスクマネジメント委員会」宛に文書が届く。「救急救命センターの速水部長が、業者と癒着して収賄している」という告発状だ。

 物語は、速水部長は本当に収賄をしたのか?その場合の処分はどうなるのか?そもそもこの告発状は誰が何の目的で出したのか?といった、ミステリーとして展開される。

 面白かった。これまでのシリーズ3作の中で一番楽しめた。悪者の悪者っぷりが良かったし、看護師たちの活躍も痛快だった。そして何よりも、ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)こと、救急救命センターの速水部長が(収賄の容疑者なのに)カッコいい。

 「キャラの立った」登場人物も、このシリーズの魅力。ただし今回は、それは少し控えめだった(新登場の姫宮さんはすごくよかった)。そのおかげもあって、シリーズの主題がよく見えてきたように思う。

 それは、現代医療が抱える「医療と経営と倫理」の問題に切り込む、コミカルにも思えるストーリー展開には似合わない、ずっしりと重いものらしい。

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» 『ジェネラル・ルージュの凱旋』 [観・読・聴・験 備忘録]
海堂尊 『ジェネラル・ルージュの凱旋』(宝島社文庫)、読了。 『ナイチンゲールの沈黙』と対になる本ということで、 早速、こちらも読んでみました。 ナイチンゲールが小児科の話なら、 本作は、同時期に進行している救急救命側のお話です。 ま、冷静に考えたら、殺人事件と贈収賄事件が同時進行している病院なんて 通いたくないのですが(苦笑)、大きな混乱もなく、2つの話を進められる...... [続きを読む]

受信: 2016年3月15日 (火) 21時47分

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