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2016年2月24日 (水)

ギリシア人の物語1 民主政のはじまり

著  者:塩野七生
出版社:新潮社
出版日:2015年12月20日発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「ローマ人の物語」の著者による新シリーズの第1弾。予告によるとシリーズは3部作になるらしい。

 「ギリシア・ローマ時代」という言葉があるように、現代の西洋文明の源流には、ギリシアとローマの文化文明がある。しかし、ローマが帝国として千年を超えて存続したのに対して、ギリシアの方は統一されることもなく、その隆盛は短かった。だた強い輝きを放っている。

 本書は、スパルタとアテネの両国の成り立ちと、そこで行われた社会の基盤を形作った改革を簡単に紹介。続いて、大帝国であったペルシアの侵攻を、ギリシアの都市国家の連合軍が迎え撃った、2度にわたるペルシア戦役を、本書の7割を割いて詳細に追う。

 古代の戦争を描くのが著者の真骨頂だ。それも、その戦争を指揮する司令官や将軍といった「人間」を中心に据えて、戦略戦術を解説する。「見てきたように」語って、鮮明に戦場を眼前に立ち上げて見せる。

 アテネのテミストクレスとアリステイデス、スパルタのレオニダスとパウサニアス、ペルシアのダリウスとクセルクセス。全員の来歴を言える人は、あまりいないだろう(ペルシア戦役は、ときどきハリウッド映画になっているようだけれど)。本書を通読すると、彼らが一人の人間として感じられる。

 著者がギリシア人を書く気になった理由について。昨今の「民主主義とは何か」という論争に、しばらく付き合ってはいたが、拒絶反応を起こしたそうだ。そこで著者が選んだのが「民主主義の創始者である、古代のギリシア、それもアテネに戻る」ことだった。

 最後に。著者の言葉を引用「アテネの民主政は、高邁なイデオロギーから生まれたのではない。必要性から生まれた」今はちょっとよく分からないけれど、この言葉をかみしめてみたいと思う。

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投稿: つねさん | 2016年3月 3日 (木) 09時42分

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