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2015年12月20日 (日)

冷蔵庫が壊れた日

著  者:神津カンナ
出版社:ワック
出版日:2014年4月8日 初版 4月26日 第2刷
評  価:☆☆(説明)

 ある方からいただいて読んでみた。著者の神津カンナさんは、作曲家の神津善行さんと女優の中村メイコさんの長女で、ご自身はエッセイスト・作家。25年ほど前からエネルギー問題に関心を持って取材をされているそうだ。

 「暮らしとエネルギー」「石油の力、人間の力」「家族の風景」「しあわせの構図」の4章に分かれて、52編のエッセイが収録されている。半分の26編が「暮らしとエネルギー」のエッセイ。「エネルギー問題」が本書のメインテーマと言って差し支えないだろう。

 最初の一編が「ハンバーグで考える電源のベストミックス」で、これを読んで「おや?これは?」と思った。ひき肉やタマネギなどの具材を混ぜながら、火力や原子力、風力などの電源のことを考える。どちらも配合が肝心だというわけだ。

 ちょっとムリヤリな関連付けだと思うが、それは置いて。化石燃料は価格変動が大きいしCO2負荷が高い、自然エネルギーは気まぐれで大きな力にするのは難しい、原子力は縁の下の力持ち。電力会社の説明を聞いているようだ。私の「おや?これは?」には「原発推進のPR本なのか?」と続く。

 実はそのとおりで、基本的には「原発推進のPR本」だと思っていい。その後も同様の話が続くし、著者は「フォーラム・エネルギーを考える」という(原発推進派と目される)団体の代表を務めているし、何よりくださった方によると、本書は電力会社から届いたそうだからだ。

 だからと言って非難するつもりはない。私は、そういう位置づけの本があってもいいと思う。ただ、特定の意図を持った本は、よほどうまくやらないとその意図を見抜かれやすい。その本を電力会社が配っても構わないが、効果はあまり見込めないだろう。

 「家族の風景」「しあわせの構図」のエッセイには、とても共感を感じるものが多かった。著者と私の感性には親和性があるのだと思う。それだけに「特定の意図を持った」前半分が残念。

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