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2015年8月30日 (日)

この方法で生きのびよ!

著  者:鈴木博毅
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2015年9月7日 初版第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 著者の鈴木博毅さまから献本いただきました。感謝。

 本書は所属する組織やビジネスの枠組みを「船」に見立て、社会を激変させるような大きな流れを「氷山」に例える。迫りくる「氷山」への対処を知っていれば、衝突や沈没を避けられる、衝突しても海に投げ出されることを免れられる、うまく利用できればチャンスにさえなる、ということだ。

 著者があげる「氷山」は5つ。「代替」「新芽」「非常識」「拡散」「増殖」。言葉だけではどうしてこれが「氷山(=大きな流れ)」なのか分からないだろう。例えば「代替」は、交通手段としての「馬」が「自動車」に、デジカメやゲーム機などのいろいろなものが「スマホ」に、取って代わられた、ということを差している。何かが「代替」となって市場を失う、という流れだ。

 その他の4つも簡単に。「新芽」は、困難に直面した時に、新しい発想によって復元すること。「非常識」は、文字通り常識に囚われず、それまでの世界観から抜け出すこと。「拡散」は、それまで存在しなかった分野に商品が拡がっていくこと。「増殖」は、ある商品を買った消費者が、その商品の熱心なセールスマンになるようなこと。

 読んでいてどうもしっくりこない感じがしていた。本書は、誰に対して何を促そうとしているのか?著者が言うように、従来のビジネス書が描く「日常の仕事の効率化」と違い、「大きな変化」を本書が描き出しているのは間違いない。しかしその大きな変化に乗れる人とはどういう人?という疑問が湧く。

 しかもその「大きな変化」の例が、「「馬」が「自動車」を代替」では「つまり「第二の自動車」を発明しろってこと?」と思ってしまう。その他にも「巨大帝国を築いたアレクサンダー大王の「非常識」」というのもあったけれど、例えがあまりに大きすぎる。

 タイトルが「この方法で生きのびよ!」だから、生きのびるための具体的な方法が書いてあると思うと肩すかしを食う。私の「しっくりこない」感の原因もここにある。本書は、もっと大きな戦略レベルの思考の枠組みを提供する。そのつもりで読めば得るものがあるだろう。 

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