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2015年5月

2015年5月31日 (日)

追風に帆を上げよ(上)(下)

著  者:ジェフリー・アーチャー 訳:戸田裕之
出版社:新潮社
出版日:2015年4月1日 発行
評  価:☆☆☆(説明)

 「時のみぞ知る」 「死もまた我等なり」「裁きの鐘は」に続く、超長編サーガ「クリフトン年代記」の第4部。7部完結とのことだから、これで折り返し地点通過ということだ。

 前作のラストは、クリフトン家の長男であるセバスティアンが乗る車が、3台のトラックに挟まれて、悲劇的な交通事故を起こしたところで終わっている。

 それを受けて、本作はセバスティアンの母のエマが、夫のハリーに、息子の死を告げる電話で始まる。その時エマはイギリス西部の街ブリストルに、ハリーは大西洋を隔てたニューヨークにいた。

 この事故は、エマとハリーを激しく憎悪するペドロ・マルティネスという男が仕掛けたもの。本作は全編を通して、このマルティネス家と、クリフトン家-バリントン(エマの実家)家の対立を描く。

 マルティネス家は偽札作りで財を成したギャングで、クリフトン-バリントンへの憎悪は、悪行の邪魔をされた「逆恨み」。だから「対立」と言っても、マルティネス家の攻撃と、それに対する防御だ。

 ここに「勧善懲悪」の分かりやすい構図ができあがる。単純な構図には良し悪しがある思うが、エンタテイメントとして安心して楽しめるところがいい。上手にハラハラさせてくれるので、退屈するということもない。

 前作「裁きの鐘は」のレビューで、主人公がハリーからセバスティアンに移ったのでは?ということを書いた。本作でそれはもっとハッキリした確信に変わった。冒頭に書いたように本作は7部完結の折り返し地点。まだこの後に「次のクリフトン」が登場するのだろう。

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2015年5月27日 (水)

チーム・バチスタの栄光

著  者:海堂尊
出版社:宝島社
出版日:2006年2月4日 第1刷 2006年3月27日 第4刷 
評  価:☆☆☆☆(説明)

 2005年の「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。本書は2008年には映画とテレビドラマになり、さらに続編を重ねてシリーズ化されている。きっと面白いのだろうと、ずっと前から気になっていた。

 主人公は田口公平、41歳。東城大学医学部付属病院の神経内科教室の万年講師。「不定愁訴外来」という、不安や不満を抱えた患者を精神面でサポートする診療科の責任者。なかなか先進的な取り組みとも言えるが、実態はその通称が表している。それは「愚痴外来」。

 東城大学附属病院には最先端の医療チームがある。米国から招聘した外科医の桐生恭一が率いる、心臓移植の代替となるバチスタ手術の専門の、通称「チーム・バチスタ」。成功率6割と言われるバチスタ手術を26例連続で成功させ、その名声は轟いていた。

 まぁ言ってみれば、出世競争から降りた万年講師の田口は、「チーム・バチスタ」とは対極にいる。その田口が、桐生を含めてチームのメンバー全員を調査することになった。「チーム・バチスタ」に立て続けに3例の術中死が起き、病院長からその原因についての調査の特命を受けたからだ。果たしてこの術中死は、連続した不運なのか?医療事故なのか?それとも....。

 チームには医師の他に、看護師、臨床工学技士などコ・メディカルと呼ばれる医療スタッフがいる。その立場の微妙な違いや、病院内の対立や妬み、さらにはそれぞれの個人的な事情などを、巧みにストーリーに取り込んでいる。さらには、物語半ばで絡んでくる厚生労働省の調査官の白鳥圭輔が、ちょっと突き抜けた感のある個性的キャラクターで、飽きさせずに読ませる。

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2015年5月24日 (日)

つむじ風食堂の夜

著  者:吉田篤弘
出版社:筑摩書房
出版日:2005年11月10日 第1刷 2015年4月5日 第23刷 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 Village Vanguardで見かけて買った。別の面白そうな本に付いていた店員さんのPOPがきっかけ。そこには「吉田篤弘とか好きな方はきっと好きなんじゃないかと思います」と書いてあった。それで、その本のそばに置いてあった本書を購入。

 主人公は「雨降りの先生」。人が「任意に雨を降らせたい」と願う思いを、文献を辿りながらまとめる、という研究をしている。普段は、雑誌などに(雨降りとはおよそ関係のない)記事を書いて糊口を凌いでいる。

 先生が都会の喧騒を逃れて来たのが、この物語の舞台の月舟町。ささやかな商店街があり、そのはずれの十字路に食堂がある。十字路にはあちこちから風が吹いてつむじ風を作る。だから通称「つむじ風食堂」

 物語は、夜な夜な「つむじ風食堂」に集う人々を中心に描く。雨降り先生、帽子屋、果物屋、古道具屋、舞台女優の奈々津さん。奈々津さんは先生と同じアパートに住んでいる。

 時間の流れが少しだけゆっくり感じられる。商店街だから商売をしている人が多いのだけれど、儲かっているようには思えない。それで焦るでも困るでもなく暮らしている。

 街の人々の、お互いにそっと触れ合うような微妙な親密さが心地いい。食堂へ出かける先生が通りがかれば「こんばんは先生。これから御飯ですか?」と声がかかる。少しだけ話をする。そんな感じ。

 私は、果物屋の主人が好きだ。オレンジに反射する淡い明かりで本を読む彼。「果物屋一軒でもやっていれば、少しは明るくて安心でしょう」といって、夜遅くまで店を開けている彼。

 けっこう洒落た文章が散りばめられている。一つだけ紹介する。「夜とは、すなわち宇宙のことなのである」。

 この本、結構好きな部類なので、あのPOPが付いていた本も読んでみようと思う。

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2015年5月21日 (木)

ラスト・ワルツ

著  者:柳広司
出版社:角川書店
出版日:2015年1月20日 初版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 「ジョーカー・ゲーム」シリーズの第4作。大日本帝国陸軍に設立されたスパイ養成学校、通称「D機関」のスパイを描く。「アジア・エクスプレス」「舞踏会の夜」「ワルキューレ」の3編を収録。

 「アジア・エクスプレス」は、満州でソ連の内部情報収集の任務に就くスパイの話。情報提供者のソ連の外交官が、情報の受け渡し場所の満鉄特急「あじあ」車内で暗殺される。ソ連のスパイ組織との謀略戦が始まる。

 「舞踏会の夜」は、華族の出身で今は陸軍中将の妻となった女性が主人公。アメリカ大使館で催された仮面舞踏会に出席する。そこでなぜか、20年前の十代の頃に、この身を救ってくれた男のことを回想する。

 「ワルキューレ」は110ページの中編。ナチス政権下のドイツに潜入したスパイの話。日独共同製作のスパイ映画が完成した。その主役を務めた日本人俳優と、かれに接触したスパイの周辺にゲシュタポの影が迫る。

 今回はこれまでとは少し趣が異なる物語だった。子どもに手品をして見せたり、愚連隊に絡まれる少女を救ったり、逃亡者の脱出に手を貸したり。任務の達成のためと言えばそれまでだけれど、「人間味」の側面が見える。

 「D機関」を設立した結城中佐の影がチラチラと現れる。彼のカリスマ性が、このシリーズの求心力になっている。

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2015年5月17日 (日)

学生まちづくらーの奇跡

著  者:KF書籍化プロジェクト
出版社:学文社
出版日:2012年1月20日 第1版第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 本書は、東京都国立市で活動する「NPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション(通称KF)」の設立の経緯から10年間ほどのレポート。KFは国立市の富士見台地域を拠点とした「産(商店会)」「官(国立市)」「学(大学)」「民(市民スタッフ)」からなるNPOで、「まちづくり活動」を行っている。

 十数年前ならいざ知らず、まちづくりを目的とした産官学共同のNPOなんて、今は全国にたくさんあって珍しくない。ただこのKFが特徴的なのは、「学」として参画しているのが、大学の先生だけではなく、60名ほどの大学生からなるサークルだということだ。

 さらには、そのサークル「Pro-K(ぷろっく)」が、カフェや物産店などを経営していること。それを10年以上継続していること。そこで利益を出していること。この利益が出ていることと継続していることには密接な関係があると、私は思う。

 上の紹介で興味を少しでも持った方は、とにかく読んでほしい。本書には全国共通のテーマである「まちづくり」「コミュニティの形成」についての、答えかヒントが書いてある。本文のレポートもいいけれど、巻末の「解説」がよくまとまっていて理解にすごく役立った。

 KFの活動も順風満帆ではなく、数多くの挫折を経験している。それでも10年あまりも継続しているのには、熱心さや粘り強さによるだけではなく、ラッキーとしか言えないめぐり合わせのおかげもある。しかしそれも、熱意を持って粘り強く取り組んでいればこそで、そう考えれば「ラッキー」さえも参考になるかもしれない。

 最後に、少し醒めた意見を。こうした「成功事例」は、当然だけれど「成功しているように」書かれる。以前、「活性化に成功して活気が戻った」と大々的に喧伝された商店街に、見学に行ってみたら一人もお客さんが歩いていなかった、なんてこともある。ここにも行ってみなければ、と思っている。

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2015年5月14日 (木)

日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?

著  者:ロッシェル・カップ
出版社:クロスメディア・パブリッシング
出版日:2015年2月1日 初版発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 タイトルに反発を感じる人もいるだろう。著者が外国人であることが気にくわない人もいるだろう。「日本人は責任感が強く勤勉なことを知らんのか!」と言いたい人もいるだろう。まぁ私がそうだった。

 ところがこういった数々の想いは、著者があげる様々な調査の数値に打ちのめされる。「エンゲージメント」という、「社員の企業に対する関与の度合いと、仕事に対する感情的なつながり」を表す数値が異様に低い。

 例えばエフェクトリーインターナショナルという会社の「グローバル社員エンゲージメント指数」調査によると、2014年のデータで、日本の得点は4.5で調査対象国中最下位(世界平均は6.2、アメリカは6.5)だ。

 「エンゲージメント」なんていうよく分からない数値なんて信用できるか!と思う人もいるだろう。私がそうだった。でも、生産性も低いらしい。OECDの2013年の調査で、日本の実務1時間あたりのGDPは41.1ドル。G7平均が56.8ドル、アメリカは66.6ドル。

 世界第3位の経済大国は、長時間労働の結果だったわけだ。ダラダラと長く働くことを「勤勉」とは言わない。

 こうして日本人の(私の)思い込みを打ち砕いた後に、本書はどうしてこうなったのか?どうすればいいのか?に、多くの紙幅を割く。社会全体の変革が必要な気が遠くなる話もあってユウウツだけれど、現場から経営者まで「リーダー」と呼ばれる人は読んだ方がいいかもしれない。

 「そうだよなぁ」と思ったことをひとつだけ。それは「日本企業は「社員はやる気があり一生懸命働くのが当然」と考えている」というもの。

 「やる気のないヤツ、怠けているヤツは、ダメなヤツだ。」これは「勤勉な日本人」には、当たり前の価値観かもしれない。でもだからといって、企業側が社員にやる気を出させる努力を怠って(というか全くしなくて)いい、ということにはならない。これは新しい視点だった。

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2015年5月10日 (日)

土漠の花

著  者:月村了衛
出版社:幻冬舎
出版日:2014年9月20日 第1刷 2015年1月15日 第9刷 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 今年の本屋大賞第5位の作品。

 舞台はソマリアとエチオピアとジプチ共和国の国境地帯。ソマリアは長く無政府状態が続き、氏族間の抗争が絶えず、国土も人心も荒廃していた。物語の主人公たちは、日本の陸上自衛隊第1空挺団の自衛官たち、精鋭中の精鋭だ。

 自衛官がアフリカの地に居るのは、有志連合による「海賊対処行動」に従事するため。スエズ運河-紅海の出口にあたるアデン湾等の「航海の安全の確保」のためだ。ただ今回は、墜落したヘリの捜索救助要請を受けての出動だった。

 今回の任務はあくまでも捜索と生存者の救助。人道支援を目的としたものだった。しかし、そこにソマリアの小氏族の氏族長の娘が救助を求めて駈け込んで来た。隊長が娘の保護を決定したその時、激しい銃撃を受ける...。

 その後はもう怒涛の展開だ。ソマリアにはアフガニスタン等から大量の武器が流れ込んでいて、小氏族の民兵と言えども、その装備は自衛隊の部隊と遜色ない。自衛官たちはたちまち窮地に陥り、応戦しつつ活動拠点への退避を続ける。

 この物語はもちろんフィクションだ。しかしソマリア沖の海賊の対処のために自衛隊が派遣されているのは事実。専門家に言わせれば大小様々な「あり得ない」があるのだろうけれど、私には「あり得る」ことに思えた。だから本当に怖かった。

 日本が安保政策の大転換を行おうとしているこの時期に、こんな物語が世に出たのは、何かの啓示なんじゃないかとさえ思った。帯には「感動と興奮」「号泣小説」「良質なエンターテイメント」なんて言葉が躍っているけれど、そんなんじゃないと思った。本当に怖かった。

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2015年5月 6日 (水)

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

著  者:ジェーン・スー
出版社:幻冬舎
出版日:2014年7月25日 第1刷 8月31日 第5刷
評  価:☆☆☆(説明)

 昨夏に本書が発売された後に、ひとしきりマスメディアで話題になった。例えば、夜のニュース番組で、キャスターが紹介していた。本の発売をニュース番組で伝えることなんて、村上春樹さんの作品ぐらいしか覚えがないので、ちょっと驚いたので覚えている。タイトルもキャッチーだし、機会があったら読んでみようと思っていた。

 著者のジェーン・スーさんは日本人。1973年生まれ、東京生まれ東京育ちの女性。自称「40代・未婚・子ナシ・ワーカホリック女」。その彼女が自らの経験と、鋭い観察眼や分析力を駆使して、「女子」について語る。いや「女子」を、時には剃刀のように切り裂き、時には大斧を振りかぶってブッタ斬る。

 タイトルの「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」は、全部で34項目ある内の最初の1項目に過ぎない。ただ「女性性(女性の性質・性格)」は、本書を貫くテーマとなっている。だから「貴様いつまで女子で..」は、本書のテーマのシンボル的にはなっている。ちなみに「何歳までが「女子」なのか?」に対する著者の答えは明快。「女は生涯、いち女子」「加齢すれども女子魂は死せず!」だそうだ。

 正直言って読でいて疲れた。つまらないというのではない。文章から絶え間なく発する感情の波に参ってしまう。著者はある時期まで、「可愛い」とか「メールの絵文字」とか「ピンク」とか、女性と関連付けられやすい様々なことに反発していたようだ。ユーモアに紛れてネガティブなパワーが届く。

 そうした「女性性」に斬りこんだかと思うと、返す刀でノラクラしている男にも斬りかかる。こんなにアチコチで刃物を振り回すようなマネをしていたら大変だったろうと思う。四十路を迎えていろいろなものに折り合いをつけたようなので、まぁ一安心だけれど。

 ユーモアがあって、読み物としてはけっこう面白いので☆3つ。でも、内容に共感できることはほとんどなかった。テーマが「女性性」なので、男性と女性とで本書の受け取り方が違うのだろう。知り合いの女性は、共感することもあったと言うし。

 最後に。40代の著者の思いは、もっと年上の女性(例えば60歳とか70歳とか)から見ると、どう見えるのかなぁ?と想像してみた。根拠はないけれど「まだまだお子ちゃまねぇ」ぐらいのことを言ってくれそうな気がする。

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「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」 固定URL | 4.エッセイ | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 3日 (日)

柘榴姫社交倶楽部

著  者:水城せとな/文 樋上公実子/画 
出版社:講談社
出版日:2015年4月24日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 マンガ家の水城せとなさんの文章と、「おとぎ話の忘れ物」の画家・イラストレーターの樋上公実子さんの画の、コラボレーション作品。水城さんの作品「脳内ポイズンベリー」は、映画化されこの5月9日に公開予定。

 帯に「お菓子と姫君たちが織りなす大人のためのおとぎ話」と書いてある。「大人のための...」と書いてあるだけで、いい大人なのにドキドキしてしまう。表紙の絵を見て「私が読んでいいのか?」と思ってしまう。

 主人公は「眠り姫」。そう、魔女の呪いによっていばらの森に守られたお城で100年の眠りについたお姫様。助けに来た勇敢な王子のキスで目覚めることになる、はず...

 ところが本書の「眠り姫」は、一人で目覚めてしまう。ほろ苦いエスプレッソと、とろりと甘いジャンドゥーヤの香りによって。そして一言「聞いてた話と違う・・・・」

 こうして物語の幕が開く。シンデレラや人魚姫、白雪姫、オデットとオディールらのいる「女王様のサロン」に、眠り姫は招待される。そこで交わされる姫君たちの会話が刺激的。

 ジャンドウーヤ、ギモーヴ、ドラジェ、タルトタタン、クレームブリュレ...全部で12話あるお話のタイトルは、お菓子の名前になっている。それもあって物語が全体的に甘い雰囲気に包まれている。

 ただし「甘い」には、「危険な誘惑」が隠されている。魅力的、魅惑的、蠱惑的な樋上さんの画が、その雰囲気を増幅させている。まさにコラボレーション。

 映画「脳内ポイズンベリー」公式サイト

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