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2014年10月15日 (水)

アイネクライネハナトムジーク

著  者:伊坂幸太郎
出版社:幻冬舎
出版日:2014年9月25日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 伊坂幸太郎さんの最新刊。2007年から2014年にかけて文芸誌等に掲載された5つの短編と、書下ろし1編を収録。

 簡単に各短編を紹介する。「アイネクライネ」。ある突発事故の責任をとって「罰ゲーム」のような街頭アンケートを課された、市場調査の会社に勤める佐藤の物語。「ライトヘビー」常連客から弟をいくらか強引に薦められる、美容師の美奈子の物語。「ドクメンタ」自動車教習所の更新に出かける度に、同じ女性と出会う、市場調査の会社に勤める藤間の物語。

 「ルックスライク」駐輪場で料金をネコババした犯人を突き止めに行く美緒と和人の高校生コンビの物語と、ファミレスのアルバイトの朱美とその窮地を救った邦彦の物語のオムニバス形式。「メイクアップ」高校生の頃に自分をいじめてた同級生と再会した、化粧品会社の広報担当の結衣の物語。

 ここまでの各短編で、よく読んでいると、登場人物が別の作品に顔を出していたり、親子関係だったりと複雑に相関していることが分かる。バラバラの場所に書かれた作品とは思えない。

 最後が書下ろしの「ナハトムジーク」かつてのボクシングのヘビー級チャンピョンの19年を行き来する回想に、佐藤や美奈子や藤間や美緒らが登場する。これまでに残して来た伏線のほとんどが回収され、相関図が完成する。圧巻。

 以前から度々言っているけれど、気の利いた会話、愛すべきキャラクター、巧みな伏線、が私が好きな伊坂幸太郎さんの作品の特長。本書は久しぶりにそれが全開になっている。うれしい。

 最後に。冒頭の「アイネクライネ」は、ミュージシャンの斉藤和義さんから歌詞を依頼されて、「作詞はできないので小説を」と書いた作品。読後には斉藤和義さんの「ベリー ベリー ストロング~アイネクライネ~」を聴こう。

 コンプリート継続中!(単行本として出版されたアンソロジー以外の作品)
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