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2014年6月14日 (土)

55歳からのハローライフ

著  者:村上龍
出版社:幻冬舎
出版日:2014年4月10日 初版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 本好きのためのSNS「本カフェ」の読書会の5月の指定図書。

 今夜から始まるNHKの同名のテレビドラマの原作。「結婚相談所」「空を飛ぶ夢をもう一度」「キャンピングカー」「ペットロス」「トラベルヘルパー」の5編を収録。元は新聞に連載されたものらしい。

 本のタイトルにあるように、5編の物語の主人公の共通点は、50代半ばを過ぎた中高年であること。必ずしも55歳というわけではなくて、60歳を過ぎた者もいる。大きなくくりで言えば60歳という「定年」に前後する世代と言える。

 簡単に5編の紹介を。主人公が女性の話は2つ。「結婚相談所」は、30年近く共に暮らした夫と離婚した女性の「婚活」の話。ちょっと恥ずかしくなる。「ペットロス」は、定年後の夫と暮らす女性が愛犬を亡くす話。哀しいけれど、良い着地点が見つけられた。

 男性が主人公の話は3つ。「空を飛ぶ夢をもう一度」は、交通誘導員の仕事をする男性と中学の同級生の邂逅。息が詰まりそうな緊迫感。「キャンピングカー」は、早期退職した男性がキャンピングカーでの自由な旅の暮らしを妻に提案する。しっかりしてほしい。「トラベルヘルパー」は、63歳のトラックドライバーの老いらくの恋。ちょっとズレてる。

 基本的に男がカッコ悪い。離婚した妻に未練がましいメールを送ってくる。妻の気持ちを考えないで勝手に決めてしまう。妻が大事にしているものに気が付かない。ストーカー一歩手前の求愛...一途で無邪気で照れ屋で純粋。そういう言葉が中高年になっても適用されるならいいのだけれど。

 私は今50歳。10歳ほど主人公たちより年下だ。そのためか「いい歳して何やってるんだか」という気がした。ただ50歳になって思うのは、自分が若い頃に思っていた50歳のイメージと全然違っている、ということ。何かこう、全然枯れてこないのだ。そう思えば、10歳上の主人公たちを「いい歳して」なんて言ってることが滑稽に思えてきた。

 最後に。「ハローライフ」は、きっと著者の人気作「13歳のハローワーク」に着想を得て、宣伝効果を狙ったものだろう。あざといとも言えるけれど、実は「人生(生活)に出会う」というタイトルは、5編の物語をうまく言い表してもいる。5編の物語の主人公には、もうひとつ共通点があって、それは「人生に改めて向き合った」ことだ。

 NHK土曜ドラマ「55歳からのハローライフ」公式サイト

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