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2014年6月21日 (土)

温室デイズ

著  者:瀬尾まいこ
出版社:角川書店
出版日:2006年7月31日 初版発行 2006年8月30日 再版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 以前「戸村飯店青春100連発」を読んで、タイトル通りに「青春」がたっぷり詰まったとても面白い物語だった。それで著者のことはずっと気になっていたので、しばらく時間が経ってしまったけれどまた「青春」を期待して別の作品も読んでみようと思った。

 「戸村飯店~」の主人公は高校生の兄弟だったけれど、本書の主人公は中学生女子の2人。中学3年生の中森みちると前川優子。2人は小学生の時もクラスメイトだった。ただし「友達」とは言えない関係だったけれど。

 みちるたちの学校は、小学校も中学校も少し「崩れた」学校だった。「不良」と呼ばれる生徒が悪さをし、授業中に立ち歩く者もいて、何かのきっかけで陰湿な「いじめ」が起きる。小学校の時には優子が、中学校ではみちるがいじめの対象になってしまう。

 まぁそんなわけで「青春」という言葉に含まれる「爽やかさ」はあまりなく、代わりに「痛々しさ」が伝わってくる。全体的にピリピリとした緊張感が漂う。残念ながらこれも「青春」の別の側面かもしれない。

 ただし、この崩れた学校での生活も、著者の手にかかって少し明るさを感じられるようになる。みちるも優子も、相当に追いつめられるのだけれど、それぞれに踏みとどまって、反転することができる。

 それにはそれぞれに、ちょっとした拠り所やきっかけがあったことが幸いした。もちろん「いじめに負けずに頑張ったから、回りの人も反省してすべてが解決」なんてお気楽な話にはならない。それでもささやかな達成感が「爽やかさ」を残してくれる。

 「戸村飯店~」と同じように、主人公が章ごとに入れ替わる。みちると優子の互いへの思いが、ピッタリと合っていたり少しズレていたりするのがミソ。「有能な使えるパシリ」の斉藤くんにも注目。

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