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2014年5月15日 (木)

今朝の春 みをつくし料理帖

著  者:高田郁
出版社:角川春樹事務所
出版日:2010年9月18日 第1刷発行 2014年2月8日 第17刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「八朔の雪」「花散らしの雨」「想い雲」に続く「みをつくし料理帖」シリーズの第4作。「ははきぎ飯」「里の白雪」「ひょっとこ温寿司」「寒鰆の昆布締め」の4編を収録した連作短編集。

 主人公の澪は、江戸の元飯田町にある「つる家」という料理屋で板前をしている。彼女には、かつて修業した「天満一兆庵」という料理店を再興すること、今は吉原にいる幼馴染の野江と昔のように共に暮らすこと、といった望みがある。

 前作「想い雲」で、これらの望みに少し進展があったかと思うと、今回はピタリと動きを止めてしまった。舞台もほぼ「つる屋」だけで、あとは澪が住む長屋がちょっと。それ以外は本当に僅かで動きがない。今回は物語を大きく動かさず、じっくりと澪の内面を深堀りする。

 ただこれまでにない動きもあった。二十歳の澪には「想い人」がいる。店にふらっと現れる「小松原」と名乗る武士で、薄汚れた格好はしているが、相当の身分の者らしい。その小松原のことがかなり明らかになる。小松原と澪の「身分違い」も明らかに..想いを断ち切ろうとする澪が不憫でならない。

 本書に「料理に身を尽くす」という言葉が出てきた。「みをつくし」は、澪の名前と出身の大坂からの連想だと思っていたけれど、こんな意味も含まれていたらしい。

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