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2013年11月17日 (日)

世の中それほど不公平じゃない

著  者:浅田次郎
出版社:集英社
出版日:2013年11月10日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。

  本書は、著者が2012年4月から2013年8月まで「週刊プレイボーイ」で連載した人生相談コラム「人生道場」を基に単行本化したもの。日本ペンクラブ会長で、裏社会にも精通し、ヘビースモーカー、無類のギャンブル好き、という強面な印象の著者と、「週刊プレイボーイ」という軟派の象徴のような雑誌との取り合わせが面白い。

 全部で69もの相談に、著者が正面から答える。連載前には切実な、あるいは聞くに堪えない気の毒な苦悩が寄せられるのでは?と、著者は構えていたそうだ。しかし、実際に届いた相談は、あほらしいほど平和な(つまりどうでもいいような)ものばかりだ。

 例として最初の方に載っていた相談をいくつか紹介する。「彼女に結婚を迫られています、うまく切り抜ける方法を教えてください」「フランスで金髪美女の彼女をつくりたい」「貧乳より巨乳のほうがやっぱりいいですか」「胸毛が濃くて悩んでいます」...

 ..自分で文字にしていて恥ずかしい。こんな相談をいくつか受けたあと、著者が編集者に言う「なんだこの投稿のセレクトは!ほとんどろくなものがないじゃないか」。編集者はこう返した「週プレ(週刊プレイボーイ)といえば基本はだいたいこんなもんです」。..なるほど納得。

 編集者の発言を紹介したが、本書は全編にわたって、著者(浅田次郎。61歳)と、編集者(石橋太朗。27歳)の掛け合いで進んでいく。「次郎と太朗の人生相談」という趣向らしい。

 大変に楽しませてもらった。その理由の第一は、あほらしい相談にも人生の深みを感じさせる回答を返す、著者の懐の広さと引出しの多さにある。相談者はこんな回答をもらえて果報者だと思う。そして理由の第二は、編集者の絶妙な質問と合いの手だ。文学界の重鎮を向こうに回して、よくその魅力を引き出したと思う。太朗くん、グッジョブ!

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