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2013年8月16日 (金)

八朔の雪 みをつくし料理帖

著  者:高田郁
出版社:角川春樹事務所
出版日:2009年5月18日 第1刷発行 6月18日 第4刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 いろいろなところから良い評判を聞いていて、いつか読んでみようと思っていた。

 舞台は江戸時代の後期の江戸の町。主人公は澪、女性ながら大坂の一流料理屋「天満一兆庵」で料理修行に励んでいたが、店が火事で焼失してしまう。澪は、主人と女将さん夫婦と共に、主人の息子が商う「天満一兆庵」の江戸店を頼って江戸に来た。しかし、すでに店はなく息子は行方不明、主人はその心労で体を壊し、澪に「天満一兆庵」の再興を託して亡くなってしまう。

 ..と、ここまではこの物語が始まる前のできごと。物語の始まりの時には澪は18歳、心臓が弱い女将さんの芳と長屋での倹しい2人暮らし。澪は、暮らしの糧を得るために、蕎麦屋の「つる屋」で働いている。「つる屋」の主人の種市は、澪に自由に料理を作らせ、客の口に合わずに失敗しても暖かく見守ってくれる。

 この物語は、幾重にも織り重ねられた織物のようだった。まず「天満一兆庵」の再興という夢が大きな縞をつくり、章のタイトルにもなっている澪が作る料理のエピソードが主だった模様を描く。さらに、種市や長屋の住人らの暮らしぶりや、「つる屋」の常連客の武士との関係などが、様々な色の糸として織り込まれている。そしてライバル店の出現、幼馴染の消息...。書ききれないほどの見どころがある。

 「みをつくし料理帖」シリーズとして、すでに8作が出版されている。これは楽しみが増えた。また「庶民の暮らしを描いた時代小説」というジャンルが面白いと思う。お奉行やお殿様、お姫様ではなく、市井の人のドラマ。かなり以前に読んだ、宇江佐真理さんの「卵のふわふわ」も、そんな作品だった。

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