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2013年7月 7日 (日)

時のみぞ知る(上)(下)

著  者:ジェフリー・アーチャー 訳:戸田裕之
出版社:新潮社
出版日:2013年5月1日 発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 英国のベストセラー作家、ジェフリー・アーチャーの最新作。詳細は不明だけれど帯には「全英1位」の文字が躍る。

 これは面白かった。著者の作品は、主人公の生涯を描く長編(サーガ)、サスペンス・ミステリー、短編集の3種類に分類されるそうだけれど、これは1番目の「サーガ」になる。これまでたくさんの著者の作品を読んだけれど、この「サーガ」作品群が一番面白いと思う。

 舞台は英国西部の港湾都市ブリストル。時代は1919年から1940年。主人公はハリー・クリフトン。物語の始まりの年には、まだ母親のお腹の中だった。そして、本書の扉ページの前には、「クリフトン家」と「バリントン家」の家系図。本書はこの両家の人々の確執や友情を描く。

 ハリーは物心がつく前に父を亡くしている。家族の話によると戦争で戦死したそうだけれど、どうもそれは真実ではないらしい。母と祖父母、伯父と一緒に暮らしているが、暮らしぶりはなかなか厳しい。ただ、そのソプラノを見出され、奨学生として聖歌隊学校に進むことになり、そこで上流階級に属するバリントン家の長男ジャイルズと出会う。

 ハリーとジャイルズはそこで友情を育む。しかしハリーの父の死には、ジャイルズの父のヒューゴーが関係しているらしい。さらにハリーの母のメイジーとヒューゴーの間には、因縁が感じられる。二人の友情がいずれ過酷な運命に直面する予感を、ヒシヒシと感じさせながら物語が進む。

 読み終わってしばらく呆然としてしまった。こんな終わり方をするとは思っていなかった。実は本書は「クリフトン年代記」という長大な物語の第1部。巻末の「訳者あとがき」によると、英国では第3部まで発売されているそうだ(そしてまだ完結していない)。まだまだ続編があることへのワクワク感と、長い道のりに足を踏み入れてしまった戸惑いを、同時に感じた。

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