« 七つの会議 | トップページ | 株式会社ネバーラ北関東支社 »

2013年5月15日 (水)

ガソリン生活

著  者:伊坂幸太郎
出版社:朝日新聞出版
出版日:2013年3月30日 第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 巻末の「初出」によると、本書は、2011年11月から2012年12月まで、朝日新聞に連載された新聞小説を、大幅に加筆修正したもの。

 主人公は緑色のデミオ。そう、あのマツダのデミオ。なんと車が主人公。彼らは、車体が見える範囲、排出ガスが届くような範囲であれば、お互いに話ができる。車輪が付いていればいいらしく、列車とも話ができる。ただし、自転車とは言語が違うらしく意思疎通ができない。人間とは(基本的に)話ができない。この車の会話が、本書の魅力の1つになっている。

 物語は、デミオの持ち主である、望月家が巻き込まれた騒動を描く。母の郁子、長男の良夫(20歳)、長女のまどか(17歳)、末っ子の次男の亨(10歳)。亨は小学生ながら、家族で一番大人びていて、良夫などよりよほどしっかりしている。言い換えれば「可愛げがない」。この「可愛げのなさっぷり」も、魅力の1つ。

 発端は、良夫が運転するデミオに、かつての人気女優、荒木翠が突然乗り込んできたことだ。「逃げているの。助けてくれないかな」と言いながら。スリリングな幕開けだ。しかも、その数時間後に荒木翠が事故で亡くなってしまう。

 この荒木翠の事故を軸に、まどかの彼氏が関わった悪党の悪事や、亨の同級生のいじめや、銀行ATMの強盗事件などのエピソードを絡める。さらに、それぞれのエピソードに関連があり、細かい伏線があり、なかなかに複雑な練り込まれた物語になっている。この「練り込み」も魅力。

 実は、私は新聞連載時にも読んでいるので、ストーリーは分かっていた。そのためか、一読した時には、そんなに面白いとは思わなかった。ただ、読み返したり伏線を追ったりしている内に、面白くなってきた。

 ※ブルーバードの伏線が一番よかった。作品間リンクあります。

 コンプリート継続中!(単行本として出版されたアンソロジー以外の作品)
 「伊坂幸太郎」カテゴリー

 人気ブログランキング投票「一番好きな伊坂作品は?(~2007年)」
 人気ブログランキング投票「一番好きな伊坂作品は?(2008年~)」
 (あなたの好きな伊坂作品の投票をお待ちしています。)
 にほんブログ村「伊坂幸太郎が好き!」ブログコミュニティへ
 (伊坂幸太郎さんについてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「ガソリン生活」 固定URL | 3.ミステリー, 31.伊坂幸太郎

« 七つの会議 | トップページ | 株式会社ネバーラ北関東支社 »

3.ミステリー」カテゴリの記事

31.伊坂幸太郎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/108492/57392220

この記事へのトラックバック一覧です: ガソリン生活:

« 七つの会議 | トップページ | 株式会社ネバーラ北関東支社 »