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2013年4月10日 (水)

左京区恋月橋渡ル

著  者:瀧羽麻子
出版社:小学館
出版日:2012年4月28日 初版第1刷発行 5月20日 第2刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「左京区七夕通東入ル」の続編。出版社は「姉妹編」と呼んでいるようだ。

 「続編」でなく「姉妹編」なのは、恐らく主人公が違うからだと思う。前作の主人公は、おしゃれな女子大学生の花だったけれど、本書の主人公は前作では花の彼氏の友達、という脇役だった山根クンだ。山根クンは京都の大学の工学部の大学院生。学生寮に住み、専門は「爆薬」。密かな楽しみは鴨川デルタ(鴨川にある三角州)での「ひとり花火」

 そんな山根クンが、実験で行き詰って気分転換のために訪れた糺の森で、白いワンピースを着た黒髪の女性と出会う。後に友人たちに「姫」と呼ばれるこの女性との出会いによって、山根クンの生活は一変してしまう。これまでの山根クンの寮生活では、「好きな昆虫」は話題になるけれど、「好きなひと」という話題はなかった。「好き」という気持ちを持て余して、何をどうすればいいのか分からない。

 とまぁ、前作に続いての「恋バナ」物語。サエないおかっぱ頭の男子大学院生の恋バナは、前作のおしゃれな女子大生のそれよりも、ずっと親しみが湧く。多少デフォルメされた不器用さと一途さに引き込まれて、気が付くとおかしくて切なくて泣き笑い。山根クン、この恋はキミの人生の糧になるよ。

 登場人物が楽しい。前作の主人公の花はもちろん、友人の龍彦や安藤クン。新たな登場人物(だと思う)の寮長は、なかなか味のある人物で、続編(姉妹編)が出るのなら活躍が楽しみだ。もう一人、物語の本筋とは関係ないのだけれど、山根クンの中学校の時の担任の理科教師が素敵だ。

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