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2012年10月11日 (木)

ジェノサイド

著  者:高野和明
出版社:角川書店
出版日:2011年3月30日 初版発行 9月15日 11版発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 本書は、このミステリーがすごい!2012年版国内編の第1位。本屋大賞は「舟を編む」に大賞を譲って2位だったけれど、「週刊文春」や「本の雑誌」のランキングでも1位になり、日本推理作家協会賞などを受賞。まぁ昨年度のNo.1の話題作と言っていいだろう。

 物語は、別々の3つの場所で並行して進む。1つはアメリカ合衆国大統領の周辺、もう1つは民間の軍事会社に雇われた傭兵たちが潜入したアフリカ奥地、3つ目は何かの事件に巻き込まれた日本人の大学院生がいる東京。世界三元中継のアクションサスペンスだ。

 3つの場所の別々の物語は、もちろん関連している。最初はごく緩やかに、徐々に密接に。どうやらプロローグの合衆国大統領の日報で報告された、「人類絶滅の可能性 アフリカに新種の生物出現」、という話題が、3つの物語をつなぐ要らしい。

 基本的には、主人公たちがサバイバルを続けるいわゆるジェットコースタードラマだ。傭兵たちは、絶対絶命の包囲網を突破し、日本人大学院生は謎の追手から逃れる。それだけでもベストセラーになる要素はあるのだけれど、この物語はもう少し複雑だ。

 物語の背景には、大統領周辺の駆け引きや陰謀があり、中央アフリカの民族対立がある。これらは現在の私たちが抱える問題だ。そして、近未来の私たちに降りかかるかもしれないのが「新種の生物」という問題。これが読者に投げかける問いは思いの他に重たいものだった。それでいいのか?私ならどうする?と問わずにはいられなかった。

 世界三元中継はなかなか面白かった。時間さえ許せば一気読みしただろう。ただ、アフリカのいくつかのエピソードには、ザラリとした嫌な感触が残った。その反対に、日本のエピソードは「手順通り」な感じで、もう少し毒気があってもいいように思った。

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受信: 2013年2月14日 (木) 10時19分

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