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2012年9月 1日 (土)

真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒

著  者:大沼紀子
出版社:ポプラ社
出版日:2012年2月5日 第1刷発行 2012年2月25日 第4刷
評  価:☆☆☆(説明)

 「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」の続編。「まよパン」シリーズの第2弾。

 舞台は前作と同じ「Boulangerie Kurebayashi」という、真夜中に営業しているパン屋。登場人物も前作とほぼ同じ。前作は6つの章から成る連作短編の体裁だったけれど、本書は全編で1つの謎を追う。その謎の中心は、新しい登場人物である佳乃。ふらっと現れて、店の2階に住むことになった。パン職人の弘基の中学時代の彼女だということだけれど、彼女は何者なのか?その目的は何か?

 佳乃の登場は、店の2階に住むもう一人の女性、希実が前作で現れた時とそっくりだった。いきなり現れて「私はあなたの〇〇(希実の場合は、オーナーの暮林の奥さんの義妹)なんだから、ここにいさせて欲しい」と言って、居ついてしまう。暮林の「ええよ」の一言で。

 暮林の「ええよ」が表す包容力は、この物語の魅力となってシリーズを通して感じられる。前作で登場したのは、夜中に街を徘徊する小学生、ホームレスのニューハーフ、のぞき魔の変態..。「普通」からはちょっとはずれた人たちをみんな、この店は受け入れてきた。本書では、彼らが誰かの役に立とうとしていて、それが幸せそうに見える。

 佳乃の謎を追う内に、登場人物と読者の前に新たな謎が立ち上がる。どうやらこの謎を、次回以降のシリーズが追うらしい。

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