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2012年6月20日 (水)

太陽は動かない

著  者:吉田修一
出版社:幻冬舎
出版日:2012年4月25日 第1刷発行 
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。

 数多くのベストセラーを世に出し、映画化、ドラマ化された作品も多い著者による、初めてのスパイ小説。
 実は私は、著者の作品を読むのは「悪人」に続いて、2冊目でしかない。(理由は特になくて、まぁ何となく機会がなくて..といったところだ。)それでも、著者がこれまでは、登場人物の心の動きを追った、人間ドラマを描いてきたことぐらいは知っている。それが今回はスパイ小説。帯によると「ノンストップ・アクション超大作!!」らしい。

 主人公は鷹野一彦。AN通信(アジアネット通信)の記者。AN通信は、表向きはアジア各地の出来事やファッション情報などをネットで配信する通信社だが、裏の実態は、命がけのスパイ活動を展開する諜報機関。鷹野は、部下の田岡亮一と共に、ベトナムの新油田開発の背後関係を探っていた。

 プロローグに、1990年代に当時NHK会長だった島桂次氏による、世界をカバーするニュースネットワークの「GNN構想」が紹介されている。この構想は、島氏自身のスキャンダルに端を発した「島おろし」によって頓挫したのだが、「海外隠し口座」の存在が指摘されている。この事実とフィクションがないまぜになったプロローグが、物語に意外な形で絡んでくる。

 諜報機関、謎の美女、韓国の諜報員、香港の実業家、中国の闇社会のボス、反政府過激派。スパイ小説の要素として、考えられるものを最大限詰め込んである。日中の政治家もCIAも出てくる。やり過ぎという意見もあるかもしれないけれど、著者のインタビューでおっしゃっていた「とにかく読んで楽しんでもらえれば..」という気持ちが伝わってくる。

 潜入あり、絶体絶命あり、間一髪の救出や脱出あり、隠された過去あり、人情と友情もあり、種明かしもあり(これもスパイ小説の常道か)。正にノンストップ・アクション。とにかく楽しめた。

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