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2012年4月 4日 (水)

プリズム

著  者:百田尚樹
出版社:幻冬舎
出版日:2011年10月5日 第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 本屋大賞ノミネート作品。「ユリゴコロ」「誰かが足りない」と同じく、私にとっては著者の初めての作品。

 主人公は梅田聡子、32歳。5年ほど前に結婚した2歳年上の夫がいる。2年前に体調を崩して、勤めていた出版社を退職したが、体調も戻ってきたので家庭教師センターに登録。初めての仕事のために、成城の資産家の岩本家を訪れるところから物語は始まる。

 表題の「プリズム」というのは、小学校か中学校で使ったことがあるはずの、透明な三角形の器具のこと。そう、あの「プリズム」。光を通すと何色もの光に分散される。逆に言うと、私たちが普段見ている光は、波長の違う何色もの光が合成されたものだと分かる。

 ネタバレになるので詳しくは言えないけれど、人間だって光と同じだというわけなのだ。一人の人間が、優しいところと冷淡なところを併せ持っていることもある。そうした異なった側面や性格が合わさって、1人の人間性を形作っている。
 ただ、それが極端な形でバラバラに現れると、周囲の人は翻弄されてしまう。聡子が岩本家で出会った男は、ある時は攻撃的に、ある時は軽薄に、ある時は紳士的に聡子に接する。

 本書はジャンルとしては「恋愛小説」。「会いたくないけど待ってしまう」みたいな、揺れ動く心の様がよく描かれている。それから設定の妙によって、人間の心理の深い部分も。ただ、「何でそこで行ってしまうのかなぁ」と思う場面が何度かあり、男の私としては、聡子にはもう少し慎重に行動して欲しかった。

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受信: 2014年2月 5日 (水) 20時34分

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