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2012年2月15日 (水)

GOTH リストカット事件

著  者:乙一
出版社:角川書店
出版日:2002年7月1日 初版発行
評  価:☆☆(説明)

 以前に私が「くちびるに歌を」についてのコメントを残したブログで、「ダークなものでもよいのであれば」とおススメいただいた乙一作品。(ご本人がTwitterで明かし、秘密ではないそうなので付け加えると、「くちびるに歌を」の著者の中田永一さんは、乙一さんの別名義。)

 主人公は「僕」、高校二年生の男子。もう一人の主要な登場人物は森野、同じクラスの女子。森野はクラスの中で浮いてしまっているが、「僕」とだけは会話をする。この設定からは、甘酸っぱい青春物語を想像する向きもあろうが、そんな考えは冒頭できれいさっぱり拭われてしまう。開始3ページ目に、女子高生のバラバラ死体が登場する。

 「僕」も森野も、猟奇殺人や拷問などの残酷なものに特別な興味を持っている。その現場に行ってみたい、立ち会ってみたい、と思っている。それで実際に現場に行く。犯人探しは本意ではないのだけれど、推理を重ねることで犯人も明らかになる。そうしたグロテスクな事件のミステリーが6話収められている。

 不思議な本だ。読み始めたころはあまりのエグさに「もう勘弁してくれ」と思った。「これは最後まで読めないかもしれないな」とも思った。それなのに読み終わった後味が、妙にさっぱりしていたのが不思議。グロテスクな事件は背景に引いてしまって、互いを支え合うような「僕」と森野の関係が印象に残る。

 本書は2003年の「本格ミステリ大賞」受賞作。高い評価にも納得するのだけれど、☆は2つにした。私はこの本をおススメできないからだ。ただし、私自身がそう薦められたように「ダークなものでもよいのであれば」という言葉に「覚悟して」を加えた上で、読んでみたい人はどうぞ。

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