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2011年10月 3日 (月)

ビブリア古書堂の事件手帖

著  者:三上延
出版社:アスキー・メディアワークス
出版日:2011年3月25日 初版発行 9月6日9版発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 有川浩さんの「シアター!」と同じ「メディアワークス文庫」というレーベルの1冊。著者が電撃文庫出身というところも有川さんと同じ。そして本書は発行後5か月で20万部突破のベストセラー。「シアター!」が、発行後9カ月のプレスリリースで「20万部突破」とあったので、それを上回る出だしだ。メディアワークス文庫としては、有川作品に続く目玉シリーズにしたいところだろう。

 主人公は五浦大輔。大学を卒業したものの就職が決まらず、母親からは「プー輔」と呼ばれている。彼は、5歳のころの経験が(おそらく)もとで、本が読めない体質。長時間字を追っていると、鼓動が高鳴り、手のひらに汗をかき、気分が悪くなってしまう。本が嫌いなのではなく、読みたいけれど読めない。
 そんな大輔が、祖母の形見の「漱石全集」の査定のために、訪れたのがビブリア古書堂。そこの店長の栞子は、極度の引っ込み思案で、本の話以外は他人とまともなコミュニケーションができない。
 かくして、本のことは聞くことしかできない大輔と、本のことしか話せない栞子の、絶妙かつ奇妙なかみ合わせの2人が、物語を転がして行く。

 本書は、古書店に持ち込まれる本にまつわる謎を、栞子が解くミステリーだ。実は栞子は入院中で、この物語は、いわゆるベッド・ディテクティヴ ミステリーの部類に入る。ただし、本書の魅力はミステリーとしての出来より、「本」というものの捉え方によるところが大きい。
 本には物語がある。小説などなら当たり前だ。しかし、古書店で高値で取引される本には、出版の経緯や著者自身のエピソードなどにも物語がある。さらに、人の手を経て来た本には、持ち主にも物語がある。本書は、それらが渾然一体となって、本好きを惹き付けるオーラのようなものを発している。続編希望。....と思ったら、10月25日に続編が出るらしい。

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コメント

YO-SHIさん、こんにちは。

これは本好きには堪らない設定&構成ですねぇ。


しかもYO-SHIさんの四つ星だから、期待値高いです♪

今月の積ん読読破月間走破した暁には自分への御褒美で二冊まとめ買いしたいと思います。


素敵な本の紹介をありがとうございます。

投稿: フウガ | 2011年10月 4日 (火) 11時27分

フウガさん、コメントありがとうございます。

なかなかの設定&構成だと思います。
この本に出てくるような稀覯本とは、私はあまり縁がありませんが、
それでも栞子が語るその本に関するウンチクは興味深かったです。

たくさん売れている理由は、ライトノベル風で読みやすいこともある
のでしょうが、やっぱり読んでいて心地よいからだと思います。

投稿: YO-SHI | 2011年10月 4日 (火) 15時00分

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