« 月冠の巫王 | トップページ | 裔を継ぐ者 »

2011年8月13日 (土)

偉大なる、しゅららぼん

著  者:万城目学
出版社:集英社
出版日:2011年4月30日 第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 著者は、奈良では神の使いの鹿に話しかけられ京都ではオニたちを操り大阪では豊臣の姫を守った。そして今回の舞台は、日本最大の湖である「琵琶湖」を擁する滋賀。琵琶湖から特別な力を授けられた「湖の民」の物語だ。

 琵琶湖の東岸にある「石走(いわばしり)」の街は、日出(ひので)一族が絶大な力をふるう街。一族が持つ「他人の心を操る」力によって財をなし、かつてのお城の本丸御殿で暮らしている。ちなみに一族の力のことは、物語が始まって早々に読者には明かされる。

 主人公の日出涼介は、お城に住む本家からは遠縁になる高校生。日出一族の力を授かった者は、高校の3年間を本家で暮らし、その力の修行をする決まりになっている。涼介も本家で暮らすことになり、同級生で当主の息子である淡十郎と石走高校に通い始める。

 前半は、涼介たちの高校生活と、石走での日出一族の「とんでもなさ」がコミカルに描かれる。淡十郎が校庭に姿を現すと、教頭が挨拶に走りよってくる。他の生徒の制服は「黒」なのに、淡十郎の制服は「赤」。淡十郎が「赤」が好きだからだ。それからクラスはいつもC組。淡十郎がCが好きだからだ。
 後半は、一転して緊迫した展開で「見せ場」が続く。「湖の民」として日出一族とは別の力を持つ棗(なつめ)家との確執。さらに別の圧倒的な力を持つ第三の勢力の影。その他にも「隠し玉」が繰り出され、大スペクタクルも用意されている。実にエンタテイメントな1冊だ。

 神戸生まれの関西人である私は、表紙裏の「石走」の説明を読んで「滋賀?そう来たか!」と思った。自分のエゴでしかないのだけれど、奈良、京都、大阪、と来たら「次は兵庫(神戸)?」と漫然と思っていた。しかし、むべなるかな。「琵琶湖には何か秘密があるはず」と私も思う。

 ※分かる人にだけ分かること:笑ってしまったのは「奇面組」。おやっ?!と思ったのは「玄三郎」。

 人気ブログランキング投票「一番好きな万城目学さんの作品は?」
 (あなたの好きな万城目作品の投票をお待ちしています。)
 にほんブログ村「万城目学の本を読みました」ブログコミュニティへ
 (万城目学さんについてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「偉大なる、しゅららぼん」 固定URL | 2.小説, 26.万城目学

« 月冠の巫王 | トップページ | 裔を継ぐ者 »

2.小説」カテゴリの記事

26.万城目学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/108492/52463547

この記事へのトラックバック一覧です: 偉大なる、しゅららぼん:

» 偉大なる、しゅららぼん 万城目学 いや〜、面白かった!!あらすじ、ネタバレ注意 [ベテランママは小説、エッセイ、ビジネス本大好き。あらすじ、ネタバレ注意]
偉大なる、しゅららぼん 大好きな万城目学作品   古くより対立する日出家と棗家。  迫る存亡の危機を力を合わせて斥けられるのか   万城目ワールド全開のスーパーエンタ ... [続きを読む]

受信: 2014年1月18日 (土) 10時42分

« 月冠の巫王 | トップページ | 裔を継ぐ者 »