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2011年8月10日 (水)

月冠の巫王

著  者:たつみや章
出版社:講談社
出版日:2001年12月17日 第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 「月神の統べる森で」「地の掟 月のまなざし」「天地のはざま」に続く、「月神シリーズ」4部作の4作目。つまり完結編。「天地のはざま」のレビューに「次が最終巻。読むのが楽しみだ。」と書いたものの、ちょうど2年間も間が空いてしまった。

 このシリーズは前作までで、縄文のムラと弥生のクニの文化の衝突、さらに強大なクニの存在とそれによる侵略、という多層的な構造と、抗いようのない文明の進展を提示してきた。そして、縄文のムラの少年で「ほうき星の神の息子」であるポイシュマと、弥生のクニの女王の甥であるワカヒコの翻弄される運命を描いてきた。

 冒頭、強大なクニである「アヤ」の野心が、ポイシュマの縄文のムラに伝えられ、ムラの人々は行動を起こす。前作で、大化けして絶大な力を垣間見せたポイシュマは、その力に戸惑いつつ、「アヤ」に囚われたワカヒコの救出に向かう。ワカヒコは、「アヤ」が自分のクニへ進軍することを知り、脱出とクニへの帰還を目指す。
 ムラの人々とポイシュマとワカヒコ、3者の動きが徐々に収れんする。これまで出会いと別離を繰り返してきたポイシュマとワカヒコの2人の運命が、三たび交わる時に向かって物語は加速する。

 完結編なので、縄文のムラと弥生のクニの文化の衝突などの、これまでに提示されたものへの決着が期待される。シリーズで一貫して描かれてきた「新しい文明への疑問」には、どのような回答が与えられるのかも興味深いところだ。
 この物語は確かに終わった。しかし、物語も気持ちも静まらない。別の物語が繰り返し続き、悠久の時間を経て現代と連続する。読み終わってそんなことを想像した。

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