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2011年6月26日 (日)

コロヨシ!!

著  者:三崎亜記
出版社:角川書店
出版日:2010年2月26日 初版発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 「海に沈んだ町」のレビュー記事のコメント欄で、ポポロさんに教えていただいた作品。ポポロさんに感謝。

 これはハマってしまった。著者の作品はアンソロジーを除くと4冊目。3冊目の「海に沈んだ町」のレビュー記事で、「なるほどこういう物語を書くのだな」などと、何かを見切ったようなことを書いた。「当たり前でないことが当たり前の世界」「喪失と回復」。このことは、本書にも当てはまる。しかし、本書は私が思っていた三崎作品とは全く違う物語だった。

 主人公は高校2年生の藤代樹。「掃除部」に所属している。そう、本書では「掃除」はスポーツになっている。「長物」という棒状のもので、「塵芥」という羽根を扱う演舞で、芸術性や技術の高さを競う。彼は、昨年の新人戦で優勝し、今は掃除部のエースになっている。
 主人公を一人紹介しただけで、ちょっと設定が風変わりなものの、本書がいわゆる「青春小説」だと想像する人は少なくないだろう。その通りだ。樹は、仲間に支えられ、友情を育み、家族と葛藤し、挫折を乗り越えて成長する。もちろん淡い恋もする。本書には「青春小説」の要素が詰まっている。

 しかし、普通の青春小説とは一味違う。それは舞台となる世界のせいだ。現代の日本のようで、少し軸がズレたような異世界。「西域」「居留地」といった地名や習俗から、「失われた町」の舞台と同じ世界であることがわかる。そして、その怪しげで危険な雰囲気が、そのまま引き継がれている。「あの街に「爽やかな青春」は似合わないでしょう?」と思うのだが、これがうまくハマっているのだ。

 本書は、月刊小説誌「野生時代」に2008年から2009年にかけて掲載された小説に、加筆修正して単行本化されたもの。実は、2010年4月号から続編「コロヨシ!! シーズン2」が連載され、先ごろ最終回を迎えたそうだ。続編の刊行が楽しみだ。

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