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2010年10月16日 (土)

バイバイ、ブラックバード

著  者:伊坂幸太郎
出版社:双葉社
出版日:2010年7月4日 第1刷発行
評  価:☆☆☆(説明)

 本書はちょっと特殊な作品だ。裏表紙に「Postal Novel」と書いてあるが、元々は出版社の企画で、抽選で1話につき50人、5話で合計250人に1話ずつ郵送された「ゆうびん小説」。書き下ろしの第6話を加えて書籍化された。さらに、太宰治の絶筆となった未完の新聞小説「グッド・バイ」を下敷きとした作品でもある。

 主人公は星野一彦30歳。借金のため「バス」に乗せて連れて行かれることになった。その日までの間の監視役として一彦に張り付いたのが繭美。身長180cm、体重180kgの巨女だ。身体がデカいだけでなく態度もデカい、おまけにとんでもなく意地悪で下品。
 繭美に比べると一彦は至って平凡、ハンサムでもブサイクでもない。でもその暮らしには1つは特徴がある。なぜか女性に好感を持たれるらしく、現在5人の女性と交際中なのだ。物語は、「バス」に乗せられる前に、一彦が「繭美と結婚することになった」と言って、別れ話をするためにそれぞれの女性を訪ねる一部始終を描く。1人と別れるのに1話、5人で5話、書き下ろしの第6話で締める、という構成だ。

 それぞれの物語は結構面白い。それぞれの女性との出会いも描かれていて、これがどれも伊坂さんらしいシャレ具合だ。会話の端々にもクスッと笑える。「白新高校だ」とか「じゃあ、教えて、パパ」とか「座るに決まってんだろうが!」とか。
 にも関わらず「何か足りない」というのが私の感想。1話1話のつながりが感じられないのは「ゆうびん小説」だから仕方ないのかも。それを補う第6話だと期待したのだけれど..もしかしたら私が気が付かないだけで、アッと驚く仕掛けがどこかにあるのかもしれないけれど。

と思っていたら、「「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために 」なんて本があるではないか!

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コメント

森見登美彦が「新釈 走れメロス 他四編」で、古典名作を時系列を現代に置き換えて書き直す
——構造だけを取り出して再構築する——という試みをているけど(余談ですが、文庫版の解説が面白いのです)、
伊坂幸太郎も違ったアプローチで同じことにトライしてるのかなぁ、と思いました。
未読なので「「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために」と併せていつか読んでみます。

投稿: ポポロ | 2010年10月17日 (日) 08時00分

ポポロさん、コメントありがとうございます。

「新釈 走れメロス」は単行本で読んだので、文庫版の解説は読んでないです。
解説だけだから..立ち読みしてこようかな?

「構造だけを取り出して再構築する」ということにトライしてるのかなぁ、
というのはとても鋭い指摘ですね。(未読なのに)

太宰治の「グッド・バイ」も併せて読みました(大変短い作品です)が、
もし、伊坂さんもそれにトライしているのだとしたら、かなり上手く
やっていると思います。森見さんよりもずっと分かりやすいし。
 

投稿: YO-SHI | 2010年10月17日 (日) 21時06分

YO-SHIさん こんにちは。
「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために 」なんて本があるんですね。
読んで、いろんな方のブログを読んだら気がつきました。
太宰の「グッド・バイ」も読んでいないので、もしかしたら奥が深いのかもしれませんが、どちらかというとあっさりした感じを受けました。
読者限定の小説だから気軽に書いたのかな?なんて思ったりもしましたが…(^_^;)

投稿: たかこ | 2010年11月23日 (火) 18時08分

たかこさん、コメントありがとうございます。

気軽に書いたというか、好きなように書いた、という部分はあるようです。

何があるわけではないんですが、「~より楽しむために」はともかく、
「グッド・バイ」は読まれるといいと思います。
短い作品で「青空文庫」にもありますし。
私が(たぶん多くの人が)イメージする「太宰作品」とはだいぶ違った
雰囲気の作品でした。

投稿: YO-SHI | 2010年11月24日 (水) 16時34分

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