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2010年7月28日 (水)

いのちのパレード

著  者:恩田陸
出版社:実業之日本社
出版日:2007年12月25日 初版第1刷
評  価:☆☆☆(説明)

 この著者の本は、読んでみるまでどんなテイストの本なのか分からない。ミステリー、ホラー、コメディ、ハートフル?ジャンルさえ多岐にわたっていて予想がつかない。そして本書は、どのジャンルとも言い難い物語が15編収録された短編集。
 読み終わって、少し背筋が冷えたり、何とも言えないモヤモヤが残ったりする、奇妙な物語ばかりだった。あとがきを読むと、それが著者の目論見どおりたっだことが分かる。本書は、早川書房が復刊した「異色作家短篇集」を読んで、「あのような無国籍で不思議な短編集を作りたい」と思って、月刊誌に「奇想短編シリーズ」と銘打って連載した作品をまとめたものなのだそうだ。

 どんな話なのかと言うと、例えば、地面から石の手がはえてくる話、橋のたもとのバリケードに座り込むホステスたちの話、「やぶからぼう」とか「つんつるてん」を出してしまう兄弟の話、「かたつむり注意報」が出る街の話、鉄路の上を疾走し続ける王国の話などなど。
 まぁ、この説明を読んでもどんな話なのか分からないと思う。どれも難しい言葉はないけれど、組み合わせがおかしい。「石の手」と「はえる」、「バリケード」と「ホステス」、「やぶからぼう」と「出す」、「かたつむり」と「注意報」、そして「王国」と「疾走」。これが、著者が目論んだ「奇想」ということなのだろう。

 偶然だけれども、先日読んだ「gift(ギフト)」に続いて、「想像力の翼」の羽ばたきが本書でも感じられた。ただし、あちらは自由な風まかせの飛び方だったけれど、本書の翼は力強く、またコントロールされてもいる。著者が練りに練って絞り出した「奇想」だけに、「奇妙さ」がより際立っている。
 表紙の哀愁ただよう「船と男性の背中の写真」からは、本書の内容を想像するのは無理だろう。

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