2009年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。
昨年に引き続いて、今年も読んだ本のランキングを作ってみました。今年はこのブログでこれまでに100冊ちょうど本を紹介することができました。☆を付けなかった雑誌2冊を除くと「☆4つ」は39冊、「☆3つ」は55冊、「☆2つ」が3冊です。何と今年は「☆5つ」がありません。我ながら評価が辛すぎますね。あんなに楽しんでおきながら....
(参考:昨年のランキング)
昨年と同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。また、皆さんからご意見もいただきたく、右のサイドバーに小説部門の人気投票を設けました。お気に入りの本などありましたら、ドンドン投票してください。では、ご覧ください。
■小説部門■
順位 | タイトル/著者/ひとこと | Amazonリンク |
1 | 獣の奏者 3.探求編、4.完結編 / 上橋菜穂子 | Amazon 商品ページへ |
人と獣のあるべき姿について、答えは出ないと思っていたが、その答えを用意した続編。エリンの凛とした姿が嬉しい。娘にも読ませたい。 | ||
2 | シアター! / 有川浩 | Amazon 商品ページへ |
表現者としての著者が想いを込めて、表現者としての「劇団」を描いた。狙い澄ましたセリフで人物の心を描写する。文庫で登場が嬉しい。 | ||
3 | 宵山万華鏡 / 森見登美彦 | Amazon 商品ページへ |
著者が描くのはグダグダな男子学生だけではない。舞台は祇園祭の宵山。京都の街のきらびやかさの中に潜む妖しさを描き出した傑作。 | ||
4 | 茨文字の魔法 / パトリシア・A・マキリップ | Amazon 商品ページへ |
物語全体を幻想的な雰囲気が覆う。幻想文学の名手が描き出した、三千年の時を越えた愛の物語、壮大なスペクタクルファンタジー。 | ||
5 | 魔法の使徒(上)(下) / マーセデス・ラッキー | Amazon 商品ページへ |
「ヴァルデマール年代記」に登場する「伝説の魔法使者」の若き日々。屈折した少年の心が痛々しい。魔法の天恵が開花するまでを描く。 | ||
6 | 流星の絆 / 東野圭吾 | Amazon 商品ページへ |
ベストセラー作家のベストセラー小説。両親を殺された兄弟妹の3人が寄り添うように生きる、ミステリー&兄弟愛。ラスト20ページに完敗。 | ||
7 | 植物図鑑 / 有川浩 | Amazon 商品ページへ |
草食系男子を拾った20代後半女子の物語。顔ヨシ、気配りヨシ、家事ヨシ、料理は特にヨシ、女子騒然の男登場。野草料理がおいしそう。 | ||
8 | 陽気なギャングが地球を回す / 伊坂幸太郎 | Amazon 商品ページへ |
現場で必ず演説をぶつ、何とも軽いノリの4人組銀行強盗の物語。「黒」と「白」の伊坂さんがいるとしたら、「白伊坂」のコメディ作品。 | ||
9 | サクリファイス / 近藤史恵 | Amazon 商品ページへ |
250ページ足らずの小品に人間ドラマが詰まっている、読み応えアリの作品。自転車ロードレースの魅力と選手たちが抱える葛藤を描く。 | ||
10 | 駆け出し魔法使いと海の呪文 / ダイアン・デュエイン | Amazon 商品ページへ |
児童向けファンタジーシリーズの2作目。10代の新米魔法使いたちが世界の破滅を救う。背負った運命の重さに児童書ながら目が離せない。 |
今年は、昨年の「ゴールデンスランバー」のように「コレだ!」という作品はありませんでした。世間的には「1Q84」がそれに当たるのでしょうが、気になることもあって10位には入れたくありませんでした。
他の選外の作品について言うと、伊坂幸太郎さんの「魔王」や、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの「キャットと魔法の卵」、ポール・スチュワートさんの「崖の国物語」あたりが悩んだ作品です。 それから、4位、6位、10位は東京創元社の海外ファンタジーですが、すべて「本が好き!」プロジェクトでいただきました。もし参加していなかったら、手に取ることもなかったと思います。読書の幅を拡げていただいて感謝しています。
■ビジネス・ノンフィクション部門■
順位 | タイトル/著者/ひとこと | Amazonリンク |
1 | 14歳からの世界金融危機。 / 池上彰 | Amazon 商品ページへ |
「45分でわかる!」と銘打った本。お手軽が売り物の本には懐疑的だけれど、この本は役に立った。14歳だけに読ませるのはもったいない。 | ||
2 | グローバル恐慌 / 浜矩子 | Amazon 商品ページへ |
米国発の世界金融危機。「危機」などという生優しいものじゃないとの意味が「恐慌」に字に込められる。出口が見えない現状を斬った良書。 | ||
3 | フラット化する世界 増補改訂版(上)(下) / トーマス・フリードマン | Amazon 商品ページへ |
障壁が除かれ世界中の人がゲームに参加する現在から未来を展望。私たちは守勢に回らるしかないのか?対策はあるのか?を解説。 | ||
4 | ローマ亡き後の地中海世界(上)(下) / 塩野七生 | Amazon 商品ページへ |
著者の15年間にわたって執筆された「ローマ人の物語」全15巻の完結から2年、同じ目で著者が見た「ローマ後」を書いた事実上の続編。 | ||
5 | かっこちゃんI / 池田奈都子 | Amazon 商品ページへ |
このブログでは取り上げることが珍しいコミック。特別支援学校の先生の話。ハンディのある子どもたちとその家族の生の感動を伝える。 |
1位、2位は、昨年の後半から続く景気の悪化が生んだ本とも言えます。3位はさらにそこに構造的な問題が提示されています。当たり前と言えばそれまでですが、ノンフィクションの読書は世相を反映するようですね。ランク外では「中学生が考える-私たちのケータイ、ネットとのつきあい方」が☆4つでした。




「2009年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。」 固定URL | | コメント (12) | トラックバック (2)
最近のコメント