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2009年10月20日 (火)

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン) 2009年11月号

 R+(レビュープラス)様にて献本いただきました。感謝。

 本誌は世界の1500を越えるメディアのニュースの中から記事を選び、あるものは翻訳・編集し、あるものは日本で独自の解説も付けて紹介した雑誌。先日レビューに「副編集長賞」をいただいた10月号に続いて11月号を読んだ。
 今月号の主な特集は、坂本龍一さん責任編集の「森と地球の未来~サスティナブルな文明へ」と、鳩山政権への海外メディアの期待度を紹介した「世界が採点する”HATOYAMA”」の2つ。その他には、世界最強の投資銀行を告発する「ゴールドマン・サックスの「闇」」、中国の次世代を特集した「80后~80年代以降に生まれた一人っ子世代の”革命”」の2つの記事が目を引いた。

 特集「森と地球の未来」を読んで感じたことを1つ。それは、これらのニュースは国内のメディアはどうように報道したのか?という疑問だ。例えば、ネパールの難民キャンプには太陽熱を利用したソーラークッカーが2500基も導入された。これによって、CO2排出ゼロ、薪としての利用のための森林伐採の中止、炊事を行う女性の生活環境と衛生状態の改善などが実現している。また、デンマークの島では、石油も原子力も使用せず、風力や太陽光、バイオマスで消費エネルギー100%を自給自足可能にしている。これらはこれまでに日本では報道されたのだろうか?

 まぁ、私が知らないだけでどこかで報道されてはいるのだろう。しかし単純に考えても、多くの記者によって取材活動が行われれば、それだけ多くのニュースが集まる。上の2つの記事はともに「レプブリカ・デレ・ドンネ」というイタリアの週刊誌の記事なのだが、もしかしたら独自の取材ルートがあるのかもしれない。飛びぬけて優秀な記者を抱えている可能性だってある。
 私が接する日本のメディアの地球温暖化の報道と言えば、ツバルという国が水没するとか、シロクマが生息できなくなるとか、ショッキングな予測が繰り返し使われる。こう言った話は情緒には訴えるが、損得勘定に長けた人々には効果がない。「シロクマとあなたの生活とどっちが大事?」と聞かれると、「自分の生活」と答えるのが大多数の本音なのだから。
 だから、そんな情緒的な話よりも上の例のように、どこそこではこんな取り組みが成功している(あるいは問題を抱えている)、という事例を広く世界に目を向けて教えて欲しい。そしてその目の数は多い方がいい。「日本が海外からどう見られているか」が分かるなんてことは本誌の価値の一部でしかない。提携する1500を越えるメディアが抱える、膨大な数の記者の目こそ本誌の財産だと思う。

 ひとつだけ苦言を呈する。坂本龍一さんとルイ・ヴィトンによる「ルイ・ヴィトンの森」プロジェクトの紹介記事があるのだが、その扉のページの文字が読みづらい。木漏れ日が美しい森の写真に白抜きの文字が重ねてあるのだが、全体的にチラチラして読みにくいし、明るい部分に重なった文字はよく見ないと判読できない。
 もちろん、前後の文脈から読み取れるのだけれど、読むのにけっこう苦労した。レストランで付け合せのニンジンが生煮えで硬くて食べられなかったような気分だ。つまり、メインに対する評価には影響が小さいかもしれないが、この部分についてだけ言えばプロの仕事じゃない、ということだ。

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今月のクーリエ・ジャポンも世界中から選りすぐった記事で構成され、非常に読み応えのある内容になっている。 表紙に掲載されているメイン特集は3本。 坂本龍一責任編集「森と地球の未来 サステナブルな文明へ」 海外メディアの期待度「世界が採点する”HATOYAMA”」 世界最... [続きを読む]

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