« トロイアの黒い船団 サトクリフ・オリジナル4 | トップページ | 潰れない生き方 »

2009年9月 8日 (火)

かっこちゃんI

画  作:池田奈都子
出版社:インフィニティ
出版日:2009年7月26日第1刷発行
評  価:☆☆☆☆(説明)

 株式会社インフィニティ・志経営研究所様から献本いただきました。感謝。

 以前にも「テラ・ルネッサンスI」というコミックをいただいた。これらは「「心を育てる」感動コミック」というシリーズで、企業の「人財育成」として、思いやりと優しさ・感謝の心を育んでもらうことを目的としたもの。金融機関やメーカー、人材派遣会社などが社員研修用に購入しているそうだ。
 最初のエピソードで泣いてしまった。私は簡単には泣かないのだけれど、ポロポロと涙がこぼれた。タイトルの「かっこちゃん」とは、石川県の養護学校(特別支援学校)の山元加津子先生のこと。本書には「かっこちゃん」が体験した、子どもたちとの間の話、おもしろイイ話など5つのエピソードが紹介されている。
 主人公として登場する子どもたちは、手足が不自由であったり難病に侵されていたりと、ハンディキャップがある子どもたちだ。その点では、盗作疑惑で回収という結果になった「最後のパレード」の中のエピソードのいくつかと同じなのだけれど、あちらでは泣けない。盗作云々が問題なのではない、ではどこが違うのか?

 「最後のパレード」のエピソードは「ディズニーランドが何をしたか」につきる。なくしたサイン帳の代わりにキャラクター全員のサインを用意する、パレードのダンサーが手を取りに来る、余命半年と告知された子どもを一生懸命励ます。どれも感動的ないい話だけれど、その主役はディズニーランドのキャストの方、ひねくれた見方をすれば、これは営業用の感動だ。
 それに対して本書の感動の主役は、子どもたちとその家族、つまり生の感動だ。よくよく見ると、「かっこちゃん」は何か特別なことをしているわけではない。子どもたちの話に耳を傾け、悲しいときや苦しい時に寄り添い一緒に悩み、時には子どもたちに勇気付けられる。壁を破るのは、子どもたち自身の力と家族の愛だ。「みんなみんなそのままが素敵。」という言葉はいささかありきたりだが、本書の最後に目にするとキラキラして見える。

 もちろん、特別なことはしていない、と言っても「かっこちゃん」は特別だ。特別ではない普通のことが、実は誰にでもできるわけではない。それから「かっこちゃん」は、この子どもたちの大切さや素敵さを、世界中の人に知ってもらうという特別な使命のために本を書き、講演する。それは、ある少女との約束でもある。本書もその使命の一端を担うのだろう。私もたくさんの方に読んでももらえるようオススメする。かっこちゃんと少女の約束のために。
 最後に、読むときは一人でいる時に。誰かが近くにいると、無意識にでも感情を抑えてしまうので泣けませんから

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

 
Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 このエントリーをはてなブックマークに追加 Evernoteにクリップ

「かっこちゃんI」 固定URL | 5.ノンフィクション, 52.感動コミック

« トロイアの黒い船団 サトクリフ・オリジナル4 | トップページ | 潰れない生き方 »

5.ノンフィクション」カテゴリの記事

52.感動コミック」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/108492/46155239

この記事へのトラックバック一覧です: かっこちゃんI:

» かっこちゃん 1―「心を育てる」感動コミック VOL.4 [本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]]
 「生きるってすばらしいよ   大好きってことが大切なんだよ   人は皆理由があって生まれてくる   皆、そのままが素敵なんだよ・・・・・・・」  この本の主人公であるかっこちゃんは、山元加津子さんという石川県で養護学校(特別支援学校)の先生をしている...... [続きを読む]

受信: 2009年9月10日 (木) 17時58分

« トロイアの黒い船団 サトクリフ・オリジナル4 | トップページ | 潰れない生き方 »