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2009年6月24日 (水)

ウェストマーク戦記2 ケストレルの戦争

著  者:ロイド・アリグザンダー 訳:宮下嶺夫
出版社:評論社
出版日:2008年11月30日 初版発行
評  価:☆☆☆(説明)

 ウェストマーク戦記3部作の2冊目。1冊目の「独裁者の王国」で協力して困難に立ち向かった面々が、それぞれの立場で新しい生活を始めたところから物語は始まる。巻頭に付いている地図に書き込みが増えていることで分かるように、少し舞台となる世界が広がり、そして物語は複雑さを増している。

 今回ウェストマーク王国が直面した困難は、隣国レギア王国からの侵攻だ。単純な領土争いではなく、ウェストマーク王家に対する貴族や将軍の陰謀、レギア王家内部の事情などが絡んでいるらしい。
 そして、対するウェストマーク王国側は、アウグスタ女王が率いる正規軍と、革命家のフロリアンが率いる市民軍、さらに市民軍の中には別行動をとるゲリラ部隊が、微妙な協力関係を保って迎え撃つ。前作の主人公テオは、市民軍と行動を共にする。

 「複雑さ」という点では、前作で独裁者の宰相に立ち向かうことでは一致しても「君主制を維持するのか、それも革命によって打倒するのか」という、難問を抱えたままだが、今回はさらに答えのない重い問いかけが残る。
 それは、戦争という非常時にあっての様々な行為の評価だ。戦時下の英雄も視点を変えれば残忍な殺人者に他ならない。しかし、そうしなければ仲間を祖国を守ることができないとすれば...。前作が児童書とは言え大人も楽しめるユーモアのある冒険小説だとすると、一転して本書は重い問いかけを読者に投げかける戦争小説と言えるだろう。

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