駆け出し魔法使いとはじまりの本
著 者:ダイアン・デュエイン 訳:田村美佐子
出版社:東京創元社
出版日:2008年10月24日初版
評 価:☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
帯に「<ハリーポッター>の次に読む本」とある。巻末の解説によれば、本書は1983年に刊行され、それなりに支持を受けてその後シリーズ化もされた。1991年に一度日本語訳が出た後、入手困難な状態が続いていたところ、「ハリーポッターみたいな本は他にないの?」という声を受けて、再び注目されるようになった、とのことだ。
それで、本書が「ハリーポッターみたいな本」かどうかだが、これは微妙だ。ストーリーは、自分に魔法の力があるとは思っていなかった少女が、魔法の力に目覚め、自分の意思とは別に世界の命運を掛けて、闇の盟主との戦いに巻き込まれる、というもの。この点に関しては確かに「..みたいな本」だ。
しかし、1冊で完結していて、それも全体で数日の話なので、「ハリー」のように、友情や家族愛や運命なんていう装飾はあまりない。軽い起伏を何度か経るが、基本的には物語はまっすぐに進む。終わってからみると「あぁ、主人公たちはこういうものを得たのね」というおみやげがちょっと心に残る、そんな感じだ。
「ハリー」みたいかどうかは置いて、本書の感想を。これは結構楽しめた。主人公たちの勇気と知恵を使った冒険譚を素直に楽しんだ。続巻が来年出るそうだが、それも読んでみてもいいカナ、と思っている。
「これはあり得ないでしょ」という場面も何度かあるが、あまり深く気にしないようにした。ファンタジーにどこまでリアリティを求めるかは人それぞれだ。少しばかり荒唐無稽なストーリーでも、面白ければ楽しめる、という人にはオススメだ。
最後に蛇足と知りつつ、気が付いたことを。ネタバレになるので具体的なことは極力控えるが、トールキンの作品との相関を感じた。「シルマリルの物語」の冥王、「ホビットの冒険」のドラゴン、「指輪物語」のエント、これらを思い出させる設定やエピソードがあった。
そして、「ハリーポッターとアズカバンの囚人」の逆転時計のエピソードに似た展開も。こちらは、もし相関があるとすれば制作年代から言って、ローリング氏の方が影響を受けたことになる。この件を指してかどうかは分からないが、本書のファンの間ではそういう噂も囁かれたそうだ。

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コメント
こんにちは^^久々に遊びに来させていただきました^^
応援完了です^^
また来ますねーー
投稿: 元気の種 | 2008年11月 7日 (金) 19時43分
こんにちは。
コメントありがとうございますね。
トールキン作品を残念ながら未読なんです。
知ってたらもっと楽しめたかもしれませんね。
逆転時計!
ネタバレになるのであまり書けないけれど、使い方がうまいなーと感心しました。
投稿: fumika | 2008年11月16日 (日) 23時18分
fumikaさん、コメントありがとうございます。
逆転時計、あったでしょう!
トールキンの作品は、英米のファンタジーが好きな方なら
一読の価値アリだと思います。
しかし、いくつかの作品は、読むのに粘り強さを必要とする
かもしれません。正直言って、私も四苦八苦しました。
投稿: YO-SHI | 2008年11月17日 (月) 00時41分
YO-SHIさん、こんにちは~。
帯の文句に関しては、そろそろ何でもかんでもハリー・ポッターを
引き合いに出すのはやめようよ、って思ったりもするんですが
確かに子供たちが闇の盟主との戦いに巻き込まれる点は似てますね。
いや、そういう設定はファンタジーにとても多いとは思うのだけど…
でも闇の盟主に関しては、ハリポタよりこっちの方が魅力的かも。
あの<孤高なる者>の話は、ほんとシルマリルみたいでしたね。
ああいうの、大好きなんです。
あの設定が今後どんな風に生かされるのかが楽しみです。
投稿: 四季 | 2008年12月17日 (水) 06時43分
四季さん、コメントありがとうございます。
闇の盟主に関しては、こっちの方が魅力的かも、ですか。
たしかに、ちょっとカッコいい感じでしたね。
それより、「シルマリル」のことをお話できる人が現れて
うれしいです。私の周囲にはいないんです、読んだ人が。
投稿: YO-SHI | 2008年12月17日 (水) 10時19分