ナ・バ・テア
著 者:森 博嗣
出版社:中央公論新社
出版日:2004年6月25日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)
「スカイ・クロラ」シリーズの第2作。「ナ・バ・テア」とは、"None But Air"の読みをカタカナで表したもの。本文中に「周りには、空気しかない。何もない。」という箇所があるが、そこのところを表しているんだろう。こういう英語の使い方は、他にもあるかもしれないが何となくカッコいい。
本書の主人公の僕は、戦闘機のパイロットだ。戦闘機に乗って空を飛んでいるときだけ、自由になれる、笑うことができる。撃墜されて戻って来られないかもしれなくても、帰還して着陸するときには「次はいつ飛べるのだろう」と思うような性格の持ち主だ。主人公によると、戦闘機乗りはみんなそうなんだそうだが。
また、他人と深く付き合うことができない、将来のことを考えない、欲と言えるのは「もっと性能の良い戦闘機に乗りたい」とか「上達したい」とかだ。それには、戦闘機のパイロットという職業以上に、その生い立ちが関係している。主人公は、キルドレと呼ばれる、子供のまま大人にならない、ケガ以外では死なない、という宿命を負っている。
そんな主人公、他人のことに興味がないはずの主人公が、何故か「ティーチャ」と呼ばれる天才パイロットに「憧れ」を抱いた。本人にも何故そんな気持ちになったのかわからない。このことが物語の始まりになっている。
実は、このことは本書の始まりであるだけでなく、(今のところ)シリーズの始まりにもなっている。2作目の本書は、1作目の「スカイ・クロラ」から何年か遡った物語だ。1作目で何の説明もないままだった様々なことが、本書で明らかになっていて「そういうことだったのか」という満足感が広がる。
それに、詩のように短い言葉で綴られる空中戦のシーンが相変わらず秀逸、使われる言葉に馴染がないにも関わらず、映像が目に浮かぶようだ。それから、言い方は悪いが、独特の浮遊感で最後まで引っ張った感のある1作目と違い、ストーリーにドラマ性も見えてきた。3作目が楽しみだ。
「作者の術中にはまるのを承知で、2作目を読むしかない。」と、1作目のレビューで書いたが、まさにその通りになったということだ。
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コメント
こんにちは^^
先日はご訪問いただきありがとうございます^^
今日、本屋に行ってみたんです。できれば買ってみてもいいかも・・と思って。
(現段階でまだ「スカイ・クロラ」を読んでいません・汗)
そしたら、いま 表紙が 映画ver. になってるんですよ~
私は(読書感想にも書いたとおり) あの表紙に惹かれたのに~
マンガの表紙はいらないー(汗) とブツブツ言いながら
結局本屋を後にしたのでした・・
しかも、似たような名前の本が数冊・・あれはもう、パートなんぼ、とかってすでに出てるんですかね??
そして質問なんですが、映画はご覧になりますか?
投稿: ぷぅちゃん☆ | 2008年8月 1日 (金) 21時37分
ぷぅちゃん☆さん、コメントありがとございます。
私も今日本屋さんに行ってみましたが、置いてあるのはすっかり
映画の表紙のばっかりになってしまいましたね。
映画の公開を控えて、キャンペーンの一環なんでしょう。
でもあれは、文庫版だけです。(表紙の美しい)単行本は、
大きな書店やネットでは買えるようです。
それから「ナ・バ・テア」は、「スカイ・クロラ」シリーズ
5部作の2冊目です。ご覧になったパートなんぼ、というのは
シリーズの残りでしょう。それは私もまだ読んでませんが。
あっ、映画はたぶん劇場では見ません。見るとすれば評判が
だいたい分かってDVDになってから、借りて見ると思います。
投稿: YO-SHI | 2008年8月 2日 (土) 00時58分
こんばんは★
ネタバレが含まれるかもしれませんのでご注意ください!!
結局、シリーズ全作読んだのですが、「クレィドゥ~」の僕が誰なのか・・・
草薙の赤ちゃんは誰なのか・・・さっぱり~で情けない限りです・・・
もう1回読みなおさなくちゃ不完全燃焼~。
投稿: みやび | 2008年8月 2日 (土) 19時29分
みやびさん、コメントありがとうございます。
そうですか、このあとさらに???な展開が待っているんですね。
「クレィドゥ~」の「僕」が誰なのかわからない、というのは、
考えてみれば、小説だから可能なことですね。「ナ・バ・テア」
でも途中までは「僕」が誰か分かりませんでしたし。
映画化の予定があるのかどうか知りませんが、映画になったら
絵にしなくちゃいけないけど、こういうのはどうするんでしょうね?
投稿: YO-SHI | 2008年8月 3日 (日) 00時56分
はじめましてめっぽといいます!
自分は原作を全部読みましたがやはり謎な部分は多いですね~
クレィドゥ~は栗田そして函南だと自分は勝手に考えちゃってます。
映画も見に行きましたが良かったですよ
原作を読まずにいくと人によっては評価が割れるとはおもいますけど、読んだ人なら感じるところがたくさんあると思います。
声が俳優さんだったりして不安要素は大きいかと思いますができれば映画館で見て欲しいと私的には感じます。(主題歌は賛否ありますがBGMは最高ですよ)
ちょっとネタばれ注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
原作と映画の大きな違いはラストシーンにあります。
函南の最後の決断そして最後のセリフを見てあげてほしいです。
けして安易なハッピーエンドではないのでそこはご安心を!(エンドロールの後もあるのでご注意)
投稿: めっぽ | 2008年8月 6日 (水) 01時35分
めっぽさん、コメントありがとうございます。
原作を全部読んでも、わからないことが残る、という感想は
いろいろな方から聞きますので、著者の意図でそうなって
いるシリーズなんでしょうね。
映画館とDVDでは、ストーリーは同じでも、受ける感覚は
ずい分と違うとは思います。
ただ、住んでいるところによっては、映画館まで出かけるのが
結構たいへんだったりするのです。アァ、ナサケナイ...
投稿: YO-SHI | 2008年8月 6日 (水) 23時03分
スカイ・クロラおもしろいですよ!
あっはじめまして アイスです
変なことを聞くようなことですが、
ナ・バ・テアの本の値段ってどのくらい
なんですか?
投稿: アイス | 2008年8月 9日 (土) 21時45分
アイスさん、コメントありがとうございました。
「ナ・バ・テア」の本は、単行本と文庫本、新書とあって
それぞれ 1,890円、680円、1,050円です。
古書店とか、ネットでも中古ならもっと安く買えます。
投稿: YO-SHI | 2008年8月10日 (日) 16時46分
お返事ありがとうございます! ではさっそくあした買いに行って来ようとおもいます では!
投稿: アイス | 2008年8月10日 (日) 23時14分
お邪魔します。 拙い私のブログへのご訪問&コメントをありがとうございました。
「使われる言葉になじみがないのに、映像が浮かぶような空中戦シーン」
本当にそう思いました。私もこのように作品を紹介できると良いのですが。
物語りのはじめにあたる「ナ・バ・テア」は、発刊順だと「スカイ・クロラ」の次なのですよね。
時系列順に次の「ダウン・ツ・ヘブン」を既に入手済みの私はこのまま行くつもりですが、映画の公開もあって「スカイ・クロラ」がとっても気になる。。私も発刊順に読み始めれば良かったなあ と後悔しております(笑)
投稿: さーにん | 2008年8月22日 (金) 19時47分
さーにんさん、コメントありがとうございます。
発刊順じゃなくても、時系列順で読めばいいと思いますよ。
話の出所は確認していませんが、著者は「どの順番でもいい」
とおっしゃてると聞いたこともありますし。
「使われる言葉になじみが..」のところを褒めていただいて、
うれしいです。正直に言うと、記事を書くのにものすごく
時間がかかるんです。ちょうどいい言葉や言い回しが
なかなか見つからなくて。
だから、褒められるとホントにうれしいです。
投稿: YO-SHI | 2008年8月24日 (日) 10時58分
ブログへのご訪問、ありがとうございました。
「ナ・バ・テア」の室谷さんのあとがきについてのご質問ですが、
昨日本屋さんに行きましたので見てきました。
室谷さんのあとがきは、文庫版だけみたいです。
もし、興味があれば文庫版覗いてみてくださいね。
投稿: crescent moon | 2008年8月29日 (金) 09時08分
crescent moonさん、コメントありがとうございました。
あとがきについての貴重な情報ありがとうございました。
文庫版も手にとって見てみます。
投稿: YO-SHI | 2008年8月31日 (日) 23時22分
はじめまして
読書ブログを書いているkovaと申します.
スカイ・クロラシリーズを私もちょうど読み進めております.
「作者の術中にはまるのを承知で、2作目を読むしかない。」
まさにその通りだと私も感じました.
最初は情報不足でぼんやりとした世界が次第に,
しかもわざとらしくなく明らかにされて行く感じですね.
その他にもたくさんのレビューを書いていらっしゃるようなので,
今後も参考にさせていただきます.
投稿: kova | 2008年9月 2日 (火) 23時51分
kovaさん、コメントありがとうございました。
kovaさんのブログも拝見しました。まだ読んでない本のレビューが
たくさんありました。また、あとでゆっくり読みます。
以降のスカイ・クロラシリーズも読んだら感想を教えてくださいね。
投稿: YO-SHI | 2008年9月 4日 (木) 18時23分