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2008年6月12日 (木)

鴨川ホルモー

著  者:万城目学
出版社:産業編集センター
出版日:2006年4月20日第1刷 2007年4月30日第11刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 2007年の本屋大賞の第6位。本作でボイルドエッグズ新人賞を受賞して世に出た著者のデビュー作でもある。本屋大賞での受賞を知った時から読んでみたいと思っていたが、タイミングが合わず、今になってしまった。

 舞台は京都の街、登場人物の殆どは大学生、そのまた大部分は京都大学の学生だ。主人公は、サークル勧誘のコンパで知り合った女子に一目惚れした、男子京大生の安倍。彼が入ったそのサークルの名は「京都大学青竜会」。
 普通であれば、こんな怪しげなサークルに入ったりはしないが、彼は、一目惚れした理想の「鼻」の持ち主である早良京子の顔、いや鼻を見たいがために、サークルの例会に顔を出してしまう。

 サークルの名の「青竜」は、北の「玄武」、西の「白虎」、南の「朱雀」に並ぶ東の「青竜」がその名の由来。ご存じの方もおられようが、これらはキトラ古墳の壁画に描かれた四神獣であり、陰陽道に通じる。そして、京都大学は京都の街の東に位置する。ということは、残りの3神獣に対応するグループが存在する、ということだ。
 さて「ホルモー」とは何であるのか、についてはネタバレになってしまうので詳しくは伏せる、青竜会を含む4つのグループで行われるものとだけしておこう。

 「ホルモー」が何であるかが明らかになるまでの前半1/3は、ストーリーがどこへ向かうのか分からないこともあり、平板な感じがする、ちょっとしたユーモアを交えた甘酸っぱい青春小説のようだ。
 しかし、まさかそんな!と言う感じの「ホルモー」の内容が明らかになる中盤以降、スピード感が増して一気に読めるようになる。各賞を受賞したのはダテじゃないのだ。
 まぁ、単なるウケ狙いかと思うところや、強引な展開もある。京都や京大生の内輪話っぽいところもあって、そういうのがイヤな人もいるだろうなぁと思う。しかし、ウケ狙いも結構、これがハマる人もいる。私はどちらかと言えばそのクチだ。
 そして、読み終わった時に改めて気が付く。これは、やっぱり甘酸っぱい青春小説だったのだ。ドシャブリの雨の中「私が好きなのは、あなたなのよ!」と告白する式の図がお好みの方は、是非一読を。笑いと感動をダブルで味わえます。

 多くの人が既に指摘していることではあるが、森見登美彦氏の作品とかぶりまくる。どちらが良いかは、もはや好き嫌いの問題だと思う。敢えて言えば、森見氏の方がキャラクターが濃いか。
 余談ではあるが、森見氏のブログ「この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ」のしばらく前の記事によると、森見氏は氏のお母様から「鹿男あをによし、観てるよ」というメールを受け取ったそうである。「鹿男~」は言わずと知れた、テレビドラマ化された万城目氏のヒット作だ。森見母は最高だ。

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コメント

おはようございます。
またまたおめでとうございます!
これからも楽しみにしております^^

投稿: ゆん | 2008年6月13日 (金) 08時22分

ゆんさん、コメントありがとうございます。

お祝いの言葉もありがとうございます。ビーケーワンのオススメ書評のことですね。
本人より先に知ってお知らせくださるなんて、感謝です。

ビーケーワンからは何の連絡もなく、ポイントも増えてないんですが..。
3000ポイントプレゼントって、最初だけなのかな?

↑↑
連絡ありました。(12時30分ごろ)

投稿: YO-SHI | 2008年6月13日 (金) 10時56分

オススメ書評のことでした。謎のコメントすみません><
何度でも選ばれたりポイントもらえたりするんですね!
3000って結構大きいですよね。
燃えてきました(笑)

投稿: ゆん | 2008年6月13日 (金) 13時58分

はじめまして~♪
TB&コメントをありがとうございました!
私も早く読んでみたかったのにもかかわらず、図書館での順番待ちが長くて今頃になってしまいました。
京都という町はこういう妄想(?)にうってつけの町でもありますね~。
京都は割とよく知っている町なので出てくる地名なんかもとても懐かしく読みました。
「ホルモー六景」も面白かったですよ!

投稿: ミチ | 2008年6月13日 (金) 20時49分

ミチさん、コメントありがとうございました。

私は京都に住んでいたことがありますが、何かの拍子に1200年前にも、ここに人が住んでいたことを意識することがありました。
例えば、鴨川の流れを見ていた時に、1200年前にも(もっと前にも?)この流れを誰かが見ていたのかなぁ、とか。

「ホルモー六景」もゼッタイ読みます!

投稿: YO-SHI | 2008年6月13日 (金) 23時13分

こんにちは。初めまして。
TBさせていただきました。
確かにウケ狙い的なところも多々あり、アイデア勝ちという部分もあるようにも思いました。
でも、確かに王道の青春小説ですね。
ちょっと不思議な雰囲気に僕はとてもはまりました。

投稿: なぐぉん | 2008年6月14日 (土) 13時15分

なぐぉんさん、コメントありがとうございました。

そう、思い返せば返すほど、青春の香りがするんです。
ドシャ降りの中の「わ、わたしが好きなのはあ、安倍-お前なの!」
なんてセリフ、青春じゃなきゃ出てきませんよね。

投稿: YO=SHI | 2008年6月15日 (日) 23時23分

初めまして♪
この度はTB&コメントを頂きありがとうございました。
もしかすると茶巾絞りのような小鬼達が
その辺にうようよしているのでは?と気がかりな今日この頃です。
「ホルモー六景」図書館に予約中であります。

投稿: dekochin | 2008年6月18日 (水) 13時55分

dekochinさん、コメントありがとうございます。

「ホルモー六景」私も読みたいです。
ただ、積読状態の本が5冊ほどあり、これの後にするか、割り込ませるか思案中です。

投稿: YO-SHI | 2008年6月18日 (水) 22時36分

こんにちは!
私も、本書と「ホルモー六景」楽しみました。
映画化もされるということですが、「オニ」はどんなふうに映像化させるのか、楽しみなようなブキミなような。

ずっと前から京都が好きで、ここのところは毎年出かけています。あの街で学生時代を過ごされたとは羨ましい。
楽しい物語も好きですが、森見さんなら「きつねのはなし」とか、梨木香歩さんの「家守綺譚」などの舞台になる京都の不思議な雰囲気も大好きです。

投稿: lazyMiki | 2008年6月25日 (水) 23時04分

TB&コメントのお返しです。ありがとうございました。

告白の部分は、かなりのネタバレですね(^^)
森見さんの作品共々、無性に京都に行きたくなる作品です。

投稿: そうるF | 2008年6月26日 (木) 09時13分

lazyMikiさん、コメントありがとうございます。

無くしてからその良さが分かる、ということは良くありますが、私の場合は住んでいる時から京都の街は好きでした。それでも、あんなところやこんなところも行っとけばよかった、と後悔しきりです。

それから「家守綺譚」という本は、知りませんでした。
Amazonで調べましたが、面白そうですね。
教えていただいてありがとうございます。読んでみます。

----

そうるFさん、コメントありがとうございました。

ネタバレですね。確かに。反省してます。..
ドラマやアニメのロケ地や舞台を巡るツアーがあるそうですが、万城目作品や森見作品の舞台を巡る旅行なんて、面白そうですね。

投稿: YO-SHI | 2008年6月26日 (木) 11時54分

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