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2008年5月11日 (日)

アヒルと鴨のコインロッカー

著  者:伊坂幸太郎
出版社:東京創元社
出版日:2003年11月25日初版 2004年1月30日3刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 東京創元社のミステリ・フロンティア第1回配本。「ミステリ・フロンティア」とは、東京創元社のWEBページによれば「次世代を担う新鋭たちのレーベル」ということで、本書は吉川英治文学新人賞を受賞している。つまり、新鋭作家として頭角を現しつつあったころの作品だ。

 新鋭という意気込みのせいか、物語にもとんがった感じが伝わってくる。登場する悪党は徹底してイカれてるし、暴力的にちょっと生々しいシーンもある。
 でも、著者の構成のうまさはこの作品でもうならせてくれる。後半を読んでいて「あれは、こういうことだったのか」と思い当って前のページを繰ると、実にうまく伏線として忍ばせてある。最初に読んだ時には全く別の意味合いを持っていたものが、後で浮かび上がってくる仕組みだ。
 先日、脚本家の三谷幸喜さんが、マジックのミスディレクションとドラマの脚本の伏線との類似性を新聞のコラムで書いていらっしゃったが、まさに、その通り。

 主人公は、この春大学生となってこの町(仙台かな?)にやってきた青年、椎名。彼が、アパートの隣人である河崎に、本屋の襲撃を持ちかけられるのが、本書の発端。
 しかし、本当の物語は2年前から始まり、椎名はその物語の最後の場面で途中参加しただけだった。2年前に、河崎と、彼の以前の交際相手の琴美、琴美の当時の彼氏であるブータン人留学生のドルジの3人が、ある事件に巻き込まれる。その3人の物語の果てに、椎名が遭遇した本屋の襲撃がある。
 ストーリーは、椎名を1人称とした現在と、琴美を1人称とした2年前の事件を行き来しながら、徐々に1つにより合されていく。上の4人以外にも登場人物が個性的で、最後まで物語を楽しむことができる。

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コメント

これで見て読みました。

面白かった。

映画になってたけど、どうやったんでしょうね。

これを映像でやるのは難しいような気がします。

投稿: 原口 | 2008年7月 4日 (金) 13時02分

YO-SHIさん こんにちは。
伊坂さんを読むのは、これが2冊目だったのですが、構成力がすごいですね。
2年前と現在がまじりあって、かなりハラハラさせられつつ、話が結びついた時にはやっと!という達成感が。
伊坂さん、気になる作家さんです。他もチェックしてみます。

投稿: たかこ | 2009年2月25日 (水) 11時44分

たかこさん、コメントありがとうございます。

この本には完全に一本取られた、って感じでした。
ちょっと大がかりなマジックを見た時のような、
気持ちよく、完全にだまされた思いでした。

「今年は伊坂さんにはまる」を宣言してしまいました。
よろしければ、たかこさんもご一緒にどうですか?
 

投稿: YO-SHI | 2009年2月26日 (木) 01時03分

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