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2007年3月 1日 (木)

アースシーの風 ゲド戦記5

著  者:ル・グウィン 訳:清水真砂子
出版社:岩波書店
出版日:2003年2月20日第1刷
評  価:☆☆☆☆(説明)

 ゲド戦記の第5巻。第4巻のタイトルが「帰還 ゲド戦記最後の書」だから、言葉通り素直に受け取れば、一度終わりにしたものを、もう1度復活させた、ということだ。
 3巻と4巻の間にも18年の間隔があり、4巻と5巻の間も11年空いている。これだけの時間を要したのは何故なんだろう。

 4巻は「最後の書」でありながら、何か完結した感じがしないものだった。多くのことが宙ぶらりんのままだった。ゲドは戻ってきたけれどその後はどうなるのか?そして最大の謎は、「テハヌーとは何者なのか?」だ。4巻で竜のカレシンに「娘よ」と呼ばれたのだから、やはり竜なのか?
 本書の最大のテーマも「テハヌーとは何者なのか?」だと思う。彼女は何をしてくれるのか?何ができるのか?1冊を通してこの疑問というか期待がストーリーを引っ張っている感じがする。
 思うに、3巻「さいはての島へ」以来の完成度の高い作品だと思う。今度こそ長い物語が完結した、と思える終わり方だった。

 話は戻るが、「テハヌーとは何者なのか?」というテーマを通じて、4巻と5巻は1つの物語になっている。4巻のドラマの少なさも中途半端な終わり方も、「テハヌーの物語」の前編と思えば納得もいく。著者だって、4巻の終わりの時点で、テハヌーが何者であるかの考えはあったはずだ。それなのに、なぜ4巻は「最後の書」なのか?なぜ5巻までに11年も空いてしまったのか?

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