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2007年2月14日 (水)

闇の守り人

著  者:上橋菜穂子
出版社:偕成社
出版日:1999年2月第1刷
評  価:☆☆☆☆☆(説明)

 女用心棒バルサが活躍するアジアンファンタジーの第2弾。
 今回は舞台がバルサの故郷カンバル王国。登場する人物はバルサ以外は全員新顔。(回想シーンを除けば)
 バルサが故郷を追われることになった事件のてん末など、第1巻からの伏線が成就する。著者は、ここまでの物語について、第1巻の執筆時には少なくとも構想を持っていたのだろう。
 この物語は、この世ならぬ不思議なものが色々と登場するが、今回の主たるテーマは、人間ドラマだ。そのドラマに引き込まれる分、前作よりもしっかりした読み物になっているように思う。

 1つのドラマは、バルサの養い親ジグロとその兄弟、一族を巡るドラマ。真実は別にあるとしても、故郷では反逆者の烙印を押されているジグロ。残された兄弟や一族にはつらい時期があったことは想像できる。さらに、ジグロを討って国宝の金の輪を取り返したとして英雄となった弟には、秘められた過去がある。

 もう1つのドラマは、バルサとジグロとの間のドラマ。ジグロはすでに亡くなっているので、このドラマはバルサが1人で背負い込む宿命としてこれまで語られていた。しかし、今回思いもよらない形で、バルサとジグロが思いをぶつけ合うこととなる。
 そこで聞いたジグロの心の叫び「バルサさえいなければ...」、そしてバルサの心の叫び「私に何ができたと言うのだ」
 深い。「守り人」シリーズは、少年少女向けの物語とされているが、ここまで深い心の掘り下げは、バルサ自身の年代、そう30年以上は人生を経験した者でないと、なかなか伝わるものではないと思う。

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